臨床医時代に、私は医長から「君は臨床医に向いていない」と宣告されたことがありました。
その言葉だけですとパワハラめいた感じもしてしまいますが、そうではなく、私が仕事上でいくつかのしくじりをしてしまった、医長も「腹に据えかねた」一言であると思われます。
さすがにその一言が、重く心にのしかかったのを今でも覚えてます。そこで「臨床医に向いている適正って何?」と改めて考え始めたところ、
・日々の業務に加え、急患対応や当直、オンコール対応をこなせるタフさ
・院内や関連病院にいるドクターとの人間関係、縦社会に対処できる体育会系ノリ
・事務員や看護師、コメディカルなどと上手くやっていける人当たりの良さ、器用さ
などでしょうか。どれも足りてないなぁ、と思って絶望的な気持ちになったところ、私はそこで「臨床医に向いてない…分かった、病院以外のところで生きていこう」と臨床医以外の道を探っていこうと決めました。
あの医長の言葉がなければ、私は臨床医のまま、不平不満を抱えて勤務し続けていたかもしれません。その意味では、産業医への道のきっかけを作ってくれた医長には感謝しかありません(皮肉ではなく)。
ここまで取り留めのない文章となってしまいましたが、何が言いたいかと言いますと、「臨床医以外の道も医者にはあるんですよ」ということです。現在の環境ですと、「医師免許を取得→とりあえずは初期研修、専攻医としての研修」という道を辿りがちではないでしょうか。
ですがその中で、「実は臨床医の適正がないのに、臨床医をやり続けている」という医師が一定の割合でいるのではないでしょうか。実際、私もそうだったと思います。
もちろん、そのまま臨床医を続けてもよろしいのでしょうが、やはり適正なしですと不満やストレスを抱えたまま働くことになってしまうのではないでしょうか。それでしたら別の働き方を選んでみるのもいいと思われます。
実際、そこから私のとった行動は「リクルートドクターズキャリア[PR]」さんに登録し、キャリアエージェントさんに相談を開始したということでした。
そこから産業医として働き始めるわけですが、二社目の転職はリクルートさんに加え、「エムスリーキャリア」さんに企業を紹介してもらいました。
現在は三社目ということになりますが、「リクルートドクターズキャリア[PR]」さんに紹介してもらった企業で楽しく産業医をやっています。
「臨床医が向いてない」と自覚してしまった方は、ご相談されてはいかがでしょうか。