産業医の求人を見ておりますと、年収「900万円」や「700万円」など、1000万円を切るものも存在しており、「やっぱり、産業医の給料って安いの?」という質問を受けることもあったりします。
私自身、同期の話を聞いていますと、バイト等を除けば「やっぱり、本業だけだとそれは安いよな」と思うわけですが、その一方で「ちょっと、誤解もあるかな」という部分はあります。
特に、求人票だけを見て「え?安い。安すぎる」と思ってしまうのは早計かな、と思われます。その点について、「ちょっと待ってくださいよ」ということについて書いてみたいと思います。
ポイント1 勤務日数・時間をチェック
求人票を見る上で、単に提示されている年収を見るだけではなく、「週何日勤務なのか?1日の勤務時間はどの程度なのか?」ということはぜひ見ていただければと思います。
常勤の産業医の求人(一部、非常勤扱いでの求人も混じっていることはありますが)では、「週3日勤務、1日6時間勤務」といったものも存在します。やはり勤務日数、時間によって年収は変動しますので、その分、提示額が低くなっているということはありえます。
中には、「週5日勤務でこれは…ちょっと安いかも」と思われるものはありますが、年収の総額だけでの判断はせず、「非常勤バイトでフルに稼働すれば、このぐらいの年収になるのかな」といった見積もりはして判断した方がよろしいかと思います。
ポイント2 昇給の有無についてチェック
企業によって、「段階的に必ず昇給していく」というところがあり、そうしたところでは入職直後は給与が低めに設定されているという場合があります。
超大手企業でも、「勤務年数や医師年数によって段階的に上がっていく」となっているところの場合、「初年度は1000万円を切る」というところはあります。ですが、段々と昇給はしていくわけで、初年度の提示年収だけでは判断しない、ということは大事かなと思います。
ですので、昇給はあるのか、それはどのように昇給するのか、医師年数◯年ではどのぐらいのなるのか、といったところを確認した上でご判断いただければ、と思われます。
ポイント3 業務内容をチェック
年収が高めに設定されているところでは、「実は担当する社員数が多い」「実は支社や子会社の担当する数が多い(日帰りとは言え、結構な遠方に行かされることもあります)」「実は併設している診療所での勤務もある」といったことがあります。
ですので、あまり業務量や負担が少なく、ゆるやかに働くことが想定している場合、年収が低めに設定されている可能性はあったりします(このあたり、産業医への期待値が関係している、といったところでしょうか)。
「安全衛生委員会への出席、職場巡視、社員との面談など、法定業務だけとりあえずやっておいて欲しい」といったスタンスのところなどもあるわけで、このあたりは求人票の業務内容、産業医に求めたいこと、などのところを見ているとなんとなく想像がつきます。
以上となります。
求人票を見る上で、特に年収についての判断は「安く買い叩かれている」と頭から決めてかからずに、ぜひ「なぜこの設定になっているんだろうか?」という視点で見ていただく方が、「実は好条件」な求人を見つけ出すと思います。
「これってどういうことなんだろうか?」と求人票で疑問に思ったら、ぜひ紹介してくれた先のキャリアエージェントに聞いておくとよろしいかと思います。私の場合、転職のたびにお世話になっていたリクルートドクターズキャリア[PR]に、たびたび質問をしていました。もしこれから求人探しをされるということでしたら、ご相談してみてはいかがでしょうか。

