若手医師が勤務医から産業医になる上で意識すべき「業務負荷」という問題

私自身、内科系の後期研修医から産業医になる上で、戸惑ったことがありました。後期研修医ですと、入院患者さんの診療と外来・救急当番、カンファレンスの準備など「やらなければならない仕事」というのは結構なボリュームでした。

そうした仕事量、業務負荷に慣れていていきなり産業医になると、もしかしたら「あれ?」と戸惑うかもしれません。というのも、勤務医と産業医ではやはり仕事の量やその負荷が異なるケースが多いからです。

そして、その違いを踏まえた上で、特に若手医師が産業医になったようなケースでは、注意すべき問題があると思っています。今回は、そうした臨床医と産業医の違いについて書いてみたいと思います。

産業医の業務負荷

面談の件数も日によって異なりますが、「1日、朝から晩までびっしり」なんてことはない(企業によってはあるのかもしれませんが)ですし、健診の判定業務などもそれほど社員数が多くないところですと「健診のシーズンに数日~何週間実施する」という感じだと思います。

「今日は1件面談をして、安全衛生委員会の講話資料を作成しただけだった」という日もあったりします。こうした状況が続いていくと、もしかしたら「ヒマだなぁ」と感じてしまうこともあるかもしれません。

業務負荷は、重すぎるのも問題だとは思いますが、軽くても「あまりやりがいを感じられない」「つまらない」と感じてしまうこともあります。

業務負荷の調節

中高年医師になってきますと、そうしたゆったりとした産業医の業務ペース、負荷にもペースを合わせるということも最初からできるかもしれません。ですが、若手医師だとそうしたことが難しいということもあると思います。

特に、今まで多忙で病棟や外来を目まぐるしく動き回っていたようなドクターですと、慣れるのは大変かもしれませんね。実際、私はそんなに多忙な後期研修医ではありませんでしたが、ペースを崩すような感じはありました。

では、そこでどうするかと言えば、「バイトで調節をする」というのも一つの手であると思います。平日の1日を使った外来バイトや、土曜などで当直バイトを入れるのもいいでしょう。また、こうした臨床バイトを続けることで、経済的にももちろんプラスになりますし、「臨床の勘を鈍らせない」こともできるというメリットもあります。

働き方の自由度の高さ

ベースとなる仕事の負荷が高すぎないというのは、逆に言えばそこから高くすることも、そしてそれに疲れたら「ゆるく働く」ということもできるわけです。

この自由度の高さは、産業医という仕事の大きな特徴であるとも言えます。私の場合、非常勤バイト1日、そして平日の空き時間に自宅でオンライン診療バイトを夕~夜診で行っています。

ちなみに、私がリクルートドクターズキャリア[PR]に常勤産業医の求人紹介を依頼した時には、非常勤バイトの求人も併せて紹介してもらいました。もしこれから産業医に転職を、とお考えでしたら、同様にバイト紹介も依頼してみてはいかがでしょうか。

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