「複数の後輩女性社員から嫌われている、とある男性社員」の問題点とは?【産業医マニュアル】

女性社員3人と面談をしたところ、口を揃えるかのように、ある特定の男性社員が「あの人と働くのは…正直、イヤです」と言われていました。

私もその男性社員を知っており、ちょっと抜けていると言いますか、頼りなさげに見えるところはありますが、決して高圧的なタイプでもありませんし、外見的にも清潔感のある様子。

「なんでだろう?」と思ったわけですが、どうやら同じ理由で「うわぁ、この人と働くのは無理…」と、後輩女性社員たちは思ったようです。その原因は、「空気を読まない、コミュニケーションが上手くとれない」というものでした。

以前、「産業医として遭遇しやすいケース「忖度して欲しい社員、空気を読まない上司」にどう対応すべきか」にも書きましたが、これに少し近いケースかな、と思いました。

たとえば、女性社員が「ここが分からなくて…どうしたらいいでしょうか?」と先輩であるその男性社員に相談しても、「知らない」と一蹴してしまうわけです。

実のところ、女性社員は、その仕事自体の解決方法を知っているか、知らないかを聞いているわけではなく、「これは俺も分からないなぁ…これなら、あの人に聞いてみたらいいんじゃないかな」など、解決するための方法を提示したり、一緒に考えて欲しい、というわけです。

どうやらこういったことが度々起こっており、「言葉を額面通りに受け取ってしまう」「質問や相談をする女性社員の意図を汲み取ることができない」ということが問題のようです。「空気を読めない、忖度できない」ということが原因で、他の社員を怒らせてしまったこともあるようなので、やんわりとこの男性社員にはアドバイスしておきました。

ただこのタイプ、医師の中にもいて、看護師さんたちの陰口の対象となっているようにも思います。昨今、「女性は…」などとステレオタイプなことを言うことは憚られますが、「忖度して欲しい女性、空気を読まない男性」でのトラブルは産業医として面談を行っていると散見されるな、という印象です。

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