非医療者への医学的な説明は「疾患の説明だけ」で終わるべからず【産業医マニュアル】

医者が病気について説明する際、ついつい「どんな病気か」という内容に終始してしまいがちです。どのようなことが原因で、どのような症状が現れ、どのような経過を辿るのか。そして、どんな検査や治療をすればいいのか…という内容で終わってしまうのです。

ただ、面談の場や安全衛生委員会で社員にそのことを話をしましても、「へぇ」とは言われるのですが、あまり記憶に残らず、興味なさそうにされて終わるだけであると最近気づきました。

要は、生活にどのような影響があり、場合によっては就業にどう影響してくるのか、予防するにはどうしたらいいのかといったことを社員としては情報提供を求めているようです。

たとえば、最近何かと話題の熱中症ですが、「体の体温調節機能が乱れ…」といった病態生理的なことは説明されがちですが、それだとあまり興味を持って聞いてもらえないですね。安全衛生委員会では、とくに予防方法などで「どう対処すれば予防できるのか」といったところにフォーカスを当て、説明するといった工夫が必要です。

また、特に安全衛生委員会では過去の経験した症例などの話は興味を持って聞いてもらえます。「当直の時に、熱中症で運ばれてきたラガーマンが救急搬送されてきて…」といった具体的な事例を上げることも工夫としてはありです。

最近ですと、ネット検索で情報は簡単に手に入りますので、Wikipedia的な情報にプラスアルファする、といった一手間をかける必要がありそうですね。

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