常勤産業医を長く続けるコツ-「業務負荷の調整」が重要

常勤産業医の場合、何社も掛け持ちで訪問をする嘱託産業医とは異なり、「ほとんど毎日のように同じところで勤務する」ということが多いのではないでしょうか。

私も3社で常勤産業医として勤務しておりますが、ほとんど本社勤務で、月に数回、支社や子会社訪問があるという状況です。そうなりますと、毎日のように同じ業務、環境に身を置くわけで、「飽き」がくる可能性もあります。

産業医を始めたばかりですと、「よーし、仕事を覚えるぞ」とやる気になっているわけで、あまりそのようなことは考えないと思いますが、これが慣れてきますと、新鮮味は薄れ、「また同じことの繰り返しか…」ということになる可能性もあります。

業務負荷の調整が必要

筋トレでも、あまりに軽すぎる荷重ですと張り合いがなく、「やる意味がない」と感じてしまうと思います。それと同様に、仕事でもある程度の忙しさというものが必要だと思います。

特に、30代で産業医になる方は意識しておいた方がいいかと思います。というのも、若手の方が「業務負荷が軽い」ことに、逆にストレスを感じやすいと思うからです。

また、私のように、あり余る時間を無為に使ってしまっていますと、張り合いがない毎日にダラけてしまい、仕事もいい加減にこなしてしまう可能性があります。

結果、私は「雇用契約の延長をしない=クビ」を言い渡されていますので、業務負荷の調整というのは大切なことだと思います。

新たな「刺激」としてのバイト

また、業務負荷の調整に非常勤バイトを使うのも良いと思いますが、それ以外にも、新しい環境や業務に身を置き、仕事の幅を広げるといった「刺激」を自分自身に与えることは必要なところだと思います。

実際、私は非常勤外来バイトに加えて、自宅でのオンライン診療バイトを始めてみたわけですが、やはり使ったこともないアプリ、コミュニケーションツール、電子カルテなどに触れ、一から業務フローやマニュアルを覚えていくのは本当に良い刺激になっていると思います。

産業医の業務を一通りこなせるようになり、少し新鮮味や張り合いが失われてしまっているということでしたら、こうした「バイト」を上手く利用して調整していくのも長く産業医を続けるコツであるように思います。

ただ、もちろん勤務している企業がバイトを許可している場合です。中には「副業禁止」として、産業医のバイトも認めていないところもありますので、その点はぜひ確認しておきましょう。

なお、私が産業医になる一社目の企業をリクルートドクターズキャリア[PR]に紹介してもらった際、「非常勤外来のバイトも一緒にご紹介しましょうか?」と提案してもらいました。もし必要であれば、産業医求人の紹介を受けると同時に、バイト紹介も依頼してみるのもよろしいのではないでしょうか。

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