産業医になってみたところ、「やっぱり違うかな…」と思われる方もおられると思います。やはり産業医になる前の想像と、なってからの現実にはギャップがあるもので、私自身もそれは感じていました。
自分自身の「適性」に疑問を懐き、そこですぐに「見切り」をつけるかどうかという問題がそこにはあります。その時点ではまだ早いのではないか、と私としては思うわけです。
「臨床に戻りたい」という思いが強いということであれば戻るべきであると思いますが、その一方で「産業医は向かないのかなぁ…臨床に戻ろうか…」ということでしたら、「ちょっとお待ちを」と私としてはなります。
企業の特色は本当に様々
その理由について、まずは企業によってカラー(特色)や風土、社員の構成、働き方も異なり、それに伴って産業医に求めることもかなり異なります。そもそも業種(事業の種類、つまりは製造業、小売業、金融業、不動産業など)によっても大幅に異なります。
ですので、一社目の企業で「産業医、合わないなぁ…」と思っていたとしても、もしかしたらその企業が合っていないというだけで、別の企業に移ったら、「合ってるかも」となるかもしれません。

一方、現在の企業では業種もガラリと変わり、年齢も自分に近くやりやすく感じています。このあたり、本当に企業によって合う・合わないというのがあるな、と思うところです。こうした理由から、「一社目だけでは判断はしない方がいい」と私は思うわけです。
二社目の転職活動でまず確認したいこと
一社目で「産業医、合わないかもしれない」と思って転職を考えている場合、その転職活動ではいくつか考えるべきポイントがあります。
まずは「自分のレベルに合っているか否か」という部分はよくよく考えた方がいいかもしれません。そのレベルとは、つまり企業側の期待に応えられるかどうかということであり、その高低で「期待値が高い/低い」なんて表現をしたりします。

具体的には、「製造業で安全衛生の意識がそもそも高い」「他に頼れる産業医がおらず一人体制」「保健師や人事労務担当者はベテランばかりで、出来て当然のレベルが高い」というところに入職していました。このような期待値が高く、自分に見合ったレベルのところに入職すると、やはり苦労することになります。
このあたり、リクルートドクターズキャリア[PR]の転職エージェントと「レベル感」についてはしっかり相談しておいた方がいいと思います。
具体的には、「相談できる先輩産業医は在籍しているか」「企業側の期待値はいかほどか。そしてそれは数年単位で経験を積むことでキャッチアップできるレベルなのか」「企業側が産業医に最も求めている部分は何か」といったあたりです。求人紹介を受ける際には、このあたりのすり合わせをしっかり行っておきましょう。

