産業医が社内での「好感度」を上げる3つの方法

前回の記事では、「産業医がクビにならない方法論」について書いてみました。自分のクビになった経験を元にしておりましたので、「クビになった方法(経緯)」ではないかというツッコミもありましたが、他山の石としていただければと思って書きました。

産業医を「クビ」にならない方法論-押さえるべき「人事の実務担当者・課長・部長」
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今回は逆に、社内での「好感度」を上げる方法について書いてみたいと思いました。もちろん、産業医としては会社側の「耳の痛い」指摘をすることもあり、「好感度なんか気にすべきではない」という意見もあるでしょう。

ですが、好感度の高低で、社内での「過ごしやすさ」は大きく異なってきます。なにも、「なんでもかんでも会社の言いなりになれ」と言うことではありません。日頃のちょっとした心がけ次第で好感度は変わってくるものであり、その工夫の方法について今回は書いてみたいと思います。

自ら積極的にコミュニケーションを

産業医は会社において、あくまでも「外様」であり、距離や壁を感じる存在であったりします。だからこそ、「社内の人には言いづらいことを言える」存在でもあるわけですが、社員さん同士との関係性とはやや異なるのだろうな、と社員さんによる接し方を見ていて思ったりもします。

それを逆手にとる形で、「好感度を上げる」ということは可能であると思います。その方法の一つとしては、距離や壁を感じられているからこそ、少し「産業医の方から積極的にコミュニケーションを図る、歩み寄る」という姿勢を見せると、グンと好意的に思ってもらえたりします。

本当に初歩的な話ですが、「朝の挨拶を自分からしっかりする」ということは大事なことです。また、「自ら連絡をとって、情報共有を行う」「安全衛生委員会などの会議などの場で積極的に話をする」ということも大事です。

ともすれば、「産業医ってどんな仕事をしているか分からない」という存在であったりもするわけで、そこで少しでも「こんな仕事をしていますよ」「今、こう考えていますよ」ということを、自ら適宜伝えていくことも重要なことであると思います。

「帰属意識」アピール

会社への「帰属意識」をアピールすることも、好感度を上げるポイントの一つです。「外様」ではやはり、好感度はなかなか上がりません。社員さんに「同じ会社にいる仲間ですよ」とアピールすることはとても大事なことです。

具体的には、朝礼をしている企業も減りつつあるということですが、そこに毎回参加することで、「おっ、会社のことを積極的に知ろうとしてくれている」と思ってもらえる可能性があります。

新年に、社長の年頭の挨拶を実施する会合が開かれる際、「自分には関係ない」と参加しないのと、参加しているのではやはり産業医の見え方はかなり異なると思います。会社のポイント、ポイントで重要なイベントにはやはり自ら積極的に参加することで、好感度は上がると思います。

会社への「メリット」を意識

あとは、「自分がいることで、会社にどんなメリットがあるのか」ということを考えるのも大事なことだと思います。そのことを忘れてしまい、漫然と仕事をしているとついついおざなりな仕事になってしまいがちです。

やはりそこで「会社にどんなメリットを与えることができるのか」と意識しつつ仕事をすることで、自然と好感度は上がっていくと思います。これは実は産業医の側にもメリットがあり、日々のルーチンワークと化した仕事が、「人の役に立っている」と意識できることになったりするのでおすすめです。

以上です。
好感度が高い方が、やはり産業医として頼ってもらえるようになると思います。私も現在の会社で、着任まもなくは人事からだけの相談でしたが、最近ですとそれぞれの部署の社員さん、課長や部長などから相談が自然と舞い込んでくるようになりました。

このあたり、少し信用・信頼してもらえるようになったのかな、と思っており、私としては嬉しい限りです。もちろん、好感度ばかりを気にしていてはダメでしょうが、日頃からの心がけ一つで周囲の反応は変わるという一例としてお考えいただければと思います。

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