スポットでの外来で多いことかもしれませんが、条件の提示や聞かされていない、「専門外」診療を依頼されることがあります。たとえば、内科でのスポット外来ということで入って、急に「小児の対応をお願いします」というようなときですね。
小学生高学年くらいならば問題ないでしょうけども、それよりも小さい子や乳幼児の場合などでは、やはり対応すべき疾患も処方薬も異なっており、「どうしよう・・・」と思うこともあります。
「条件になかったので、無理です」と断れればいいのですが、やはり安からぬ給料を出してもらっている以上、そうもなかなかいかないということもありますよね。慣れている事務員などならば言いやすいですけども、初めて会ったような人に、なかなか文句を言いづらい。
そこで、そのような依頼があった場合、どうすべきかについて書いてみたいと思います。
1) 専門科医師へのコンサルトは可能か確認
もし重症な急患対応や、相談したい患者さんが来る場合、その専門科医師にどのような形で紹介・コンサルト依頼ができるのか、確認すべきでしょうね。
たとえば、「翌朝、専門の先生が来たら相談してください」といったことができるのとできないのでは、大きく異なります。なので、「そのようなコンサルトができる医師はいるのか、すぐに相談できるのかといったことができるようであれば、診療を行います」といった交渉をするのも手ですね。
他科の患者さんを背負い込んで、訴訟されてしまうことは避けるべきですが、むやみに引き受けたり、拒否するのではなく、「バックアップ体制があれば」といった判断材料を確認するほうが良さそうですね。
2) 人材紹介会社に相談
「1度きりでもう応募しない」ということなら、それでいいかもしれませんが、今後も勤務を希望される場合、直接相談しづらかったら、人材紹介会社を介して相談しましょう。
「条件として提示されていない、事前に聞いていなかった」といった事案でしたら、やはり医療機関や人材紹介会社に非があります。非難するというよりは、やんわりと「あらかじめ聞かされてなかったのですが・・・」と相談する形でお話をしておき、意見を相手先に伝えてもらうといいのではないでしょうか。
3) 文句ではなく「交渉」する
状況により、受け入れざるを得ないことはありますが、やはりその都度、相談はしてもらいたいですよね。中には、怒り出してしまったり、明らかに不機嫌になられる先生もいらっしゃいますが、それは自分の評判を下げてしまうだけのようにも思います。
そこで、そのような文句やクレームをつけるのではなく、「交渉」するのも手ですね。「その話は条件になかったのですが、もし特別手当という形を出していただけるのなら対応させていただきます」「その分の残業手当、少し厚くしてもらえませんか?」といった形で条件をこちらから新たに出すのも良いのではないでしょうか。
以上です。
いい加減な条件提示をされてしまうのは問題ですが、様々な患者さんの対応をしなければならないのは分かります。ある程度は仕方ないと思いつつ、上記のような方法をご参考にしていただくのはいかがでしょうか。