医師が「辞めたい」と思っている職場からなかなか離れられない3つの理由

私が産業医を勤めている企業で、会社への不満やストレスを多く抱えている方に「そんなに辛いなら辞めたらいいのに」「辞めたければ辞めればいい」とはっきり言う社員のAさんがおられました。

その方が「私、今月で辞めます」と突然ご報告に来られたので、驚きとともに「まさに言行一致(?)だな」と一人思った次第です。

ですが、こうした方は稀で、「はぁ…会社辞めたいなぁ」と愚痴りながらもなかなか辞められないものです。そこで今回の記事では、医師が「辞めたい」と思っている職場からなかなか離れられない理由について書いてみたいと思います。

選択肢の狭い医師の転職

そもそも医師の転職ということですと、特に専門医資格、ある程度の経験年数があるということであれば、「他の病院の同じ科」へと転職することがほとんどではないでしょうか。

そうなりますと、「どうせ転職したって、同じような仕事の辛さなんだろ」と思ってしまいがちです。「どうせ転職しても同じ」と思い込みやすくなってしまうという罠があるわけですね。

会社員ですと、会社・部署ごとに社風や業務も異なり、「他業種で転職」ということもありうるわけで、「転職でがらりと変わる」ということが起こりやすいです。その点、医師は転職事情が異なるのかな、と思います。元々の選択肢が少ないため「どうせあんまり変わらないなら、リスクを犯したくない」というふうに思われるのではないでしょうか。

かつての私は、片田舎の研修先がすべてと思い込んでしまっていました。そんなことは決してないんですけどね。

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私自身、後期研修医の時にドロップアウトし、しばらくのドロッポ医生活を送ってなんとか産業医になったという経歴があります。ですので、その当時の絶望的な気持ちというのは、今振り返ってみてもどんよりとした気分になります。 ですが、そんな私もド...

生真面目、がんばり屋気質

受験競争を勝ち抜いてきて、なおかつ大学に入ってからも進級試験・卒業試験・国家試験・初期研修を突破してきているわけですから、皆さん、生真面目でがんばり屋な傾向にあるように思います。

ですので、「ここが耐えられないなら、他に行っても耐えられない」「頑張り続ければ、いつか報われる」「医師とはこうあるべき」…といった思い込みで、結果としてなかなかその職場から離れられないということが起こりうる可能性があると思います。

ただ、一度でも転職してみればわかりますが、それぞれの病院・クリニックで労働環境・負荷は大きく変わります。これも選択の仕方次第ですので、「ここでダメだったら、他でもダメ」なんてことはありません。

あとは、「できない自分」「仕事で押し潰されてしまう自分」を認めがたいという傾向もあるのかな、と思っています。

年収の高さ

「時給換算したら、大学生のバイト並」なんてことはあるかもしれませんが、それでも年収は一般企業の会社員よりも高いです。そのため、「こんなに働いてこれしかもらえないの?やってられないよ!」と、半ばキレ気味に退職する方は少ないのではないでしょうか。

やはり、「ある程度の額はもらってるんだから、仕事はキツくて当たり前」という刷り込みがあるのかな、と思っています。ただ、「報酬のためにキツイ仕事を耐え続ける」というのは限界があります。「キツイ…でも、生活のため、お金のためだ」と思い続けて働くよりは、やはり「適度な業務負荷」のところで働くことを選択するべきではないか、と私としては思っております。

「仕事はキツくて当たり前、仕事のことを考えると憂鬱になるのは当たり前」という思考に私もかつては陥っていました。そこから10年以上の時を経て、今では産業医として楽しくやっています。

以上です。
冒頭の「辞めたければ辞めればいい」というAさんの言葉は極論かな、とも思いますが、それでも「働きやすい環境を探して、動き出す」という姿勢は必要かなと思っております。実際、あまりに業務負荷が高くて潰れてしまう方もおられますし。

ですので、もし心身の不調を感じ始めておられるようでしたら、無理せずまずはリクルートドクターズキャリアや、エムスリーキャリアなどの転職エージェントに相談してみてはいかがでしょうか。求人紹介から転職サポートまで、無料で行っていただけますよ。

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