産業医の先生方で、次のステップとして「労働衛生コンサルタント(保健衛生)」を受験してみようとお思いの方も多いのではないでしょうか。ただ、テキストらしいテキストもなく、範囲もかなり広いため、「どこから手をつけていいものやら…」とお悩みの先生方も多いでしょう。
そこで、「労働衛生コンサルタント口述試験」の勉強の始め方について、私なりにおすすめの方法を今回は書いてみたいと思います。
1) 用意するもの
まず用意するものとしては、
・労働衛生のしおり(中央労働災害防止協会 編)
・労働安全コンサルタント 労働衛生コンサルタント試験問題集(日本労働安全衛生コンサルタント会 編)
です。
労働衛生のしおりについては、Amazonなどで購入できます。労働安全コンサルタント 労働衛生コンサルタント試験問題集に関しては、「日本労働安全衛生コンサルタント会の受験準備用図書 購入ページ」から、購入申し込みができます。
手始めに、まずはこの2冊から勉強を開始してみましょう。
2) 具体的な勉強の進め方
労働安全コンサルタント 労働衛生コンサルタント試験問題集の記述問題をまずは見てみましょう。この本には労働安全コンサルタントや、労働衛生コンサルタント(衛生工学)も含まれていますから、それではなく「労働衛生コンサルタント(保健衛生)」の記述問題を見てください。
「見て」みることが重要です。決して解こうとはしないでください。その段階で解けるような人の方が稀です。まずは問題を見て、読んで、そしてすぐに解説を読みましょう。
まずはチンプンカンプンかもしれません。ですが、分からない語句が出てきたら、ネットなどで意味を調べつつ、読み切りましょう。通読できたところで、再び最初の問題に戻ります。
そこから、『労働衛生のしおり』の登場です。『労働衛生のしおり』を取り出し、過去問で出てきたテーマの箇所を読んでいきます。なかなかそれもしんどい作業ですが、それでも通読していきましょう。
こうして、2年間分の労働衛生コンサルタント試験問題の記述問題についての内容に触れたことになります。
3) まとめノートを作る
上記の1) 2) が終わったところで、大分、「労働衛生コンサルタント試験」でどのようなことが問われているかつかめてきたのではないでしょうか。その上で、出題された内容をもとに、まとめノートを作りましょう。
とくに、語句の定義など、「こうして説明すれば簡潔で分かりやすいな」と意識しながらまとめていきましょう。私の場合は、スマホで何度も見返せるよう、ワードで作ってクラウド上に上げておきました。
以上です。
これだけでも、試験勉強を進めていく上で、とても大きな第一歩だと思います。そこから、頻出となる問題に対する回答を作り、暗記していくという作業をしていくことになります。
ただ、1) – 3) のようなことをしておりませんと、まさに「チンプンカンプン」です。どんな問題が出て、どんなことを要点として聞いているのか。それを掴む上で、過去問を中心に勉強することは非常に重要であると思います。
なお、これから先の勉強や、頻出問題などにつきましては、拙著『産業医のための労働衛生コンサルタント口述試験対策マニュアル: 一発合格するための秘訣』に掲載しております。よろしければご一読いただければと存じます。