私が専攻医を辞めて産業医になったのは、30歳になって間もなくです。初めて常勤産業医になった会社は、1日8時間勤務、週4日勤務で年収1千万円でした。これは「臨床医時代と据え置きの年収にして欲しい」と希望した交渉の結果でした。
これに、週1回の非常勤外来のバイトをしていたので、月のバイト代35万円が加わり、年収はトータルで1420万円ほどになります。
独立行政法人労働政策研究・研修機構による「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によりますと、常勤医師のバイト込みの平均年収は1461万円とのことですので、ほぼ常勤勤務医と同じぐらいは稼げていたと思います。
ちなみに、30代の常勤勤務医の平均年収は967万円ですので、同じ30代の医師と比べても、年収面では劣っていなかったと思います。
それでいて産業医は「残業なし、当直・オンコールなし、時間外問い合わせや呼び出しもなし」です。
勤務医が産業医に転職する「メリット」と「デメリット」とは
産業医をやっておりますと、勤務医の友人からは「残業もなく定時で帰れるんでしょ?」「当直やオンコールもないし、土日祝日も休める。最高じゃない」と、若干の皮肉まじりに言われることもあったりします。 たしかにそうしたメリットは享受できているという...
なお、2社目に産業医として入職した企業も同程度でしたので、「30代で週4日勤務、年収1千万円」は無理な数字ではないと思います。週5勤務なら、1200~1500万円程度の報酬を出す企業もザラにあります。
よくある質問ですが、「産業医って儲からないんでしょ?だって、当直も病棟からの呼び出しもないし」ということは、当てはまらないと思います。結論としては、「臨床医並にはもらえます」ということになるのではないでしょうか。
もし現在、「専攻医辞めて、産業医になろうか…」とお悩みということでしたら、以下の記事をお読みいただければと思います。
【2024年版】「専攻医/後期研修医をやめて産業医」になろうと考えている若手医師へのアドバイス
私自身、最初から産業医を目指していたわけではありません。そもそもは内科の後期研修医になり、「まずは専門医資格を取得して開業しよう」と考えていました。ですが、その途中でドロップアウトし、そこからは産業医として働いております。 だからこそ、同じ...
もうすでに認定産業医の資格を取得して、決意を固めたということでしたら、リクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアの転職エージェントにどのような求人があるか相談してみてはいかがでしょうか。未経験であっても応募できる求人もきっとあるはずです。