「患者をよく怒らせてしまって口論になる」医師の特徴と対策

某医師掲示板で、患者をよく怒らせてしまい、結果クレームが病院側へと入って上司から叱られたというエピソードが書かれたスレッドが立てられていました。

私も外来で週一バイトをしておりますが、そこで極稀にですが、怒鳴り合いのような口論が他のブースから聞こえてくることもあります。「何事?」と思ってこちらとしても驚いてしまいますが、やはりドクターと患者さんが言い合いにあることはあるようです。

スレッドに話を戻しますが、「薬をよこせ」と患者さんがいきなり言ってきて、それにキレてしまって口論になったりと、患者さんの言動や態度に腹を立ててつい口論になってしまうようです。

このことで思い出すのが、私が後期研修中のことです。先輩医師が退職することになり、入院患者さんを私が受け持つことになったのですが、そのご家族が「主治医が代わるなんて聞いてない。納得できない」と怒り始めました。

私も、自ら望んで受け持っているわけでもないわけですから、ついカチンときて「今までの主治医は退職することが決まっています」と言い返したところ、「その話も聞いてない!」とヒートアップしてしまいました。

そんな中、退職する先輩医師が登場して、「お話するのが遅くなって申し訳ありませんでした。時期が来たら伝えようと思っていたのですが…」としっかり謝罪した上で、そこからは延々とクレームめいた話を聞き、その中から「奥さんの体調が思わしくない」と聞きつけるや「受診できるように手配します」と申し出ていました。

さらには、退職前に主治医交代する話でしたが、「退職するまでは私が診させていただきます。主治医交代する際には、しっかりと申し送りを行いますので、どうかご理解いただけませんですしょうか」とダメ押しして、納得させていました。

この件で私は、

・患者さんやご家族と同じ土俵で口論しても何も生み出さず、評価を下げてしまうだけ。常に寄り添うスタンスで冷静に話し合う。

・患者さんやご家族が不満や怒りを抱えているようだったら、しっかりと謝罪する。変なプライドをもって謝らなかったり、謝罪することがリスクヘッジだと勘違いしないように。

・出来得る限りのニーズを叶え、それでも満足しないようだったら「対立」するのではなく「交渉」するスタンスをとる。

といったことが必要なのだと学びました。とにかく、患者さんやご家族に寄り添うことは必要ですが、「同じ土俵に立って衝突する」ことは避けるべきですね。

こんなことを書いておいてなんですが、私が退職する間際、体調不良とイライラでよく患者さんと衝突してしまっていました。「分かってはいても、ストレスを溜め込んでそれができない」ということはあると思います。

私の場合は、産業医へ転職してストレスが大分減り、イライラをぶつけてしまうということはなくなりました。もし同様なご状況ということでしたら、リクルートドクターズキャリア[PR]などの転職エージェントにご相談いただき、精神的・身体的にストレス軽減が図れる職場への転職をご検討いただいてはいかがでしょうか。

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