産業医が「主治医と相談を」と社員に促すのは重要である理由【産業医マニュアル】

通院中の社員さんが、面談中に「実は、症状が変わってきていて…」「不眠が悪化していて…」と訴えることがあるのですが、「そのことについて主治医に相談しましたか?」と質問すると、「実は相談できていないんです」とのこと。

「なぜ相談できないのですか?」と質問しますと、定期通院が「ただ薬をもらってくるだけ」の儀式になっており、「なかなか相談できる感じじゃなくて…」と言われます。

外来で何人もの患者さんが待っており、忙しそうにされている主治医に相談を切り出すことは気が引けるということのようです。

「受診するのは、ただ同じ薬をもらってくるだけの行為ではありません。その都度、定期処方薬も適切かどうか判断する必要があります。その判断をする上で、病状について相談することも、とても大切です」と説明して、「ぜひ主治医と相談を」と促しています。

こうしたアドバイスは、一人二人じゃないため、「主治医と話しづらい…」と感じている患者さんは意外と多いのだと気付かされました。ですので、私も外来では症状の変化がないのか、確認をしっかりととるようにしています。あとは「相談しやすい空気、話し方」というのも重要だと思われます。

「患者は、主治医とは意外と距離を感じている」というのは念頭に置いておいて、しっかりと相談できているかどうかを確認することは産業医としてしておいた方がいいかもしれませんね。

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