産業医面談を行う上で「転職経験」「仕事上の悩み」「自分の病気体験」を語ることは有効だと思う理由【産業医マニュアル】

社員さんと面談を行う上で、社員さんもどこかで「どうせ、お医者様には分かるまい」「つまずくこともない人生なんでしょうよ」「私の辛さを分かるわけないさ」と思っている節があるな、と感じることがありました。

もちろんそれは誤解であり、私も3度の転職経験があり、さらには後期研修をドロップアウトした身です。おまけに後期研修を行っていた病院を退職する際には心身ともにズタボロになり、不眠症状や抑うつ症状で苦しみました。

リクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアなどの転職エージェントさんに救ってもらったと言っても過言ではなく、もし相談に乗ってもらえてなかったら、今頃どうなっていたんだろうと思うと怖くなります。

そんな私ですので、社員さんから「距離」を感じた時には、「いや、実は私も3回転職してましてね…」や、「私も不眠症状で苦しみまして…」「私も上司との関係悪化に悩みましてね…」といったカミングアウトをするようにしています。

同病相哀れむ、ということかもしれませんが、やはり同じ経験をしている、ということが分かりますと、話を聞いてもらいやすいし、してもらいやすくなります。

もちろん、同じような経験をしたとことさらアピールする必要はありませんが、「私の人生も、決して平坦ではなく山あり谷あり。辛い経験、しんどい経験もしてますよ」という話は、辛い思いをしている社員さんにとって幾ばくかの救いになるようにも思うのです。

もし産業医面談を実施していて、「なんか距離があるなぁ」と感じるようでしたら、ご自身のエピソードを交えて共感する姿勢を示しますと、「あ、なんだ。お高くとまってるだけの医者じゃないんだ」と思ってもらえて、腹を割った話ができるかもしれません。

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