産業医になるにしても、専攻医(後期研修)には一度なっておいた方がいいと思う理由【医師転職】

後期研修医時代にドロップアウトして産業医になった身としては、あまり大きなことは言えません。ただ、やはり産業医になるにしても、専攻医(後期研修)には一度なっておいた方がいいと思います。

専門医資格を取得すべき、とまでは言いません。たとえドロップアウトしたとしても、専攻医(後期研修)になった方がいいと思うわけです。その理由としては、以下のようなものがあります。

臨床経験不足による諸問題

臨床経験が少なすぎると、「治療の全体像」がイメージできなくて、「今後どう動くべきか」というのが分からずに苦労する可能性があると思います。

たとえば術後に抗がん剤治療を受けている社員さんが、「現在、どのような治療を受けていて、どんなサイクルで今後治療が進んでいるのか」といったことが分からなかったり、あるいは抗がん剤治療によってどのような副作用が起きてくるのか、生活・仕事上でどのようなことに注意したらいいのか…といったことが想像できないというようなことが起きてくるのではないでしょうか。

初期研修医ですと、実際に抗がん剤治療のプランを立てたり、効果を見つつ血球減少などの副作用に注意しながら治療を進めていく…ということを主体的に関わっているというよりは、やはり「見学している」色合いが強いようにも思うのです。

こういった「主体的に治療を進めていき、自ら考えていく」という経験を後期研修でしているか否かの差はやはり大きいのではないでしょうか。

また、こうした全体像が分かっていますと、「主治医は今、こういうことを考えているんだろうな。だとしたら、次の手はこう打ってくるはず」ということも自ずと分かるわけです。そこらへんが分かっていないと、人事に「先生、ぶっちゃけどうなんでしょうか?」と説明を求められた時も、答えに窮してしまうかもしれません。

バイトの選択肢の問題

後期研修ともなりますと、外来デビューなども行っており、そうなりますと「非常勤外来のバイト」などもできるようになるのではないでしょうか。

初期研修のみということになりますと、こうした「バイトの選択肢」が狭まってしまう可能性があると思うわけです。常勤産業医ですと、「病院での1日バイト可」という企業も多くあり、選択肢が多い方が収入アップにつながります。

ひいては「生涯年収」の差にも大きく関わってくると思いますので、この点もできれば後期研修を経験しておいた方がいいと思うわけです。

単純に年齢の問題も

あまりに若年で産業医になりますと、言葉は悪いかもしれませんが「舐められる」可能性もあります。管理職や人事労務担当者などは基本的に年上となり、あまりに年齢差があると「軽く扱われる」可能性あるのかな、と思います。

その点、やはりできれば30代後半ぐらいから産業医になっておいた方が、傷つく場面も少なくなるでしょうし、「話を聞き入れてもらえる」ということも多くなるように思います。

以上です。
もし「初期研修医修了後は産業医になるんだ」とお思いでしたら、上記のようなことも念頭に置いていただけますと幸いです。また、専攻医(後期研修中)に産業医となることを検討中ということでしたら、リクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアなどにご登録の上、転職活動中のガイド役となっていただける転職エージェントにご相談されることをオススメしたいと思います。

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