コロナ禍ということもあり、学会の研修会の単位取得が「Web研修」で可能となっているところも多くなっています。一方で、認定産業医の基礎・更新研修会は軒並み「中止」となるところが多く、一向にweb開催は行われていません。
昨今、webカメラ、アプリなどの操作も簡単になり、導入は決してハードルが高くはありません。それでもweb化はされる動きはなさそうです。
ではなぜ「web研修」が開催されないのか、ということですが、「安易に参加し、資格取得を行う人が増える可能性があるから」ということでしょうか。それに伴う日本医師会の業務量が増加する可能性なども、たしかに考えられますね。
このことについても、今でさえ既に「ペーパー産業医」が多く、実際に産業医業務を行わずに資格のみを持っている人が多く、研修会の参加可能人員を逼迫している状況なのですから、「登録料・更新料を値上げする」ことで、ペーパー産業医を減らすことも検討していくべきなのではないでしょうか。
また、webだと「単にログインして流しているだけで、実際に研修を受けていない人が出る可能性がある」ということも考えられます。
ただ、この点についても受講後にミニテストなどを設けて、合格者のみ点数を付与するといったことを検討すれば、小ずるい行為をする人も防げるのではないでしょうか。もしくは、「研修会のみの単位」で認定産業医資格を与えるということではなく、研修後に試験を課すといったことも、産業医の質をある程度保つことにはつながるように思います。
私としては、web研修にすることは大賛成ですし、それに伴って単位取得の方法、資格の認定方法などの見直しをすることで、より「意味ある研修」にすべきなのではないか、と思っております。
そうでないと、集中講座の参加費+登録料を日医に上納することで「認定産業医の資格」を与えているという印象にどうしてもなってしまうのではないでしょうか。