「週3日や4日勤務」「当直・オンコールなし」など医師も「働き方を選ぶ転職」をしてもいいと思う理由

以前、病気を機に臨床を続けるのが困難となり、「産業医になろうかと思うのですが、転職するのは不安です」という方からの相談を受けたことがあります。

たしかに、私自身も臨床医、しかも後期研修医時代に産業医へと転身するのは非常に勇気が要りました。上司だった医長からも、「絶対上手くいくはずがない」と言われた上での転職でしたので、とても不安を抱えていました。

ですが、実際のところ産業医になった今、満足のいく働き方をしていると自分では思っています。週に3日の常勤産業医、そして1日の非常勤外来バイトという勤務形態で、「このまま65歳ぐらいまで勤務を続けたいな」とも思っております。

一方で、「そんなラクした医師人生でいいのか?」といったご意見をいただくことや、「みんなそんな生き方をしたら、医療崩壊を招く」といったご批判もあるでしょう。実際、私も両親から「臨床を続けて、50歳ぐらいから産業医をやってもいいんじゃないの?」と言われたこともあります。

ただ、私自身も臨床医時代に不眠症状をきっかけとして「臨床医はもう無理」と思っていた事情もあり、また、今の生き方に私自身としては満足しているということもあって、変えるつもりはありません。冒頭の病気を機に産業医を目指しているというドクターにも事情があります。

産業医をやっていて思うのですが、面談をした社員さんそれぞれに置かれた環境、抱えている問題は多種多様であり、さらに言えばそれに対して「自分がどう感じるか」というのはまた千差万別だと思うのです。ある人からすれば「大したことではない」と感じることも、別の人からすれば耐え難い大問題だったりもします。その感じ方に、他人がとやかく言うことは果たして正しいのか、とも思うのです。

また、働き方、仕事のストレスに対する耐性も人それぞれです。それぞれに見合った負荷というものがあるでしょうから、みんながみんな「週3日勤務、定時上がり、当直なし・オンコールなし」という働き方を望むかと言えば、そうではないと思います。ですので、私のように、そうした働き方を受容できない人が一人いたからと言って、みんながそうした働き方をするわけではないので、「医療崩壊を招く」といった批判は当たらないように思うのです。

キャリアデザインをすることは、不確定な要素が多い昨今では困難かもしれませんが、現在の「働き方をデザインする」ことは可能です。もし今の働き方に悩まれておられるということでしたら、リクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアなどの転職エージェントに相談してみてはいかがでしょうか。別の視点から働き方を見ることができるかもしれませんよ。

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