私の臨床医時代を振り返ってみますと、本当にお恥ずかしいほどキャリアプランについて、ガチガチに凝り固まった思考をしていたと思います。
初期研修医になり、さてその後をどうしようかと考えてみたところ、「とりあえず専門医を取得しよう」ということで、後期研修医になりました。では、さらにその後どうしようかというと、「勤務医はしんどい。だから当直・オンコールのない開業医になりたい」と、身も蓋もないようなことを考えていました。
いわば、医師のキャリアパスとして、勤務医or開業医という二択しか頭にないわけです。基礎研究、病理、画像診断といった選択肢については考慮しましたが、向いてはいないということで一応排除はしていましたが、「勤務医は向いてないから開業医」という短絡的な思考になっていたわけです。
ただ、今振り返ってみれば、たとえば転科をするという選択肢もあったでしょうし、そして産業医になるという選択肢もあるわけです。そうした選択肢を考慮しておりませんと、「あ、この道は閉ざされた、もう逃げ場がない、どうしよう…」と勝手に窮地に陥ってしまったと思い込みやすくなってしまうと思います。
実際に私もそうした窮地に陥ってしまったわけで、「臨床医ダメだわ、向いてない。開業医にもなれない。どうしよう…」と悩んだ末に先輩医師からの「産業医という生き方もある」という一言を思い出して産業医になったというわけです。
適性があるか否かという問題については、やはり飛び込んでみないと分かりませんが、勝手に窮地に陥ってしまったと思い込んで悩むよりは、様々な選択肢を考えてみた方がいいのではないか、と私としては思います。
また、実際求人情報などを見てみますと、より具体的に考えられるとも思います。もし悩んでおられるようでしたら、「リクルートドクターズキャリア[PR]」や、「エムスリーキャリア」といった転職支援会社の転職エージェントにご相談いただいてはいかがでしょうか。