術後の復職で「体力低下が心配」という社員への対応はどうすべきか【産業医マニュアル】

特に高齢者に多いですが、手術後に「体力が低下してしまって、復職するのが心配」という相談を復職の事前面談でされることがあります。

大病であったりしますと、自身の健康について必要以上に心配してしまう傾向にあるようです。ですので、「この程度のラインをクリアできていれば、体力的に問題ないですよ」と具体的に示しておくと、その不安解消に役立てることができると思います。

たとえば、「日常生活を普通に送れて、外出も問題なくできる。1日5000歩程度歩くことができる」といった条件を伝えておき、「その程度だったらクリアできる」というふうに思ってもらえるというところでしょうか。

ただ、これは業務の活動量がさほど多くないような、デスクワーカーのようなケースであり、活動量が大きい業務の方ですと、「本当に以前の業務に戻って大丈夫?」という確認が必要であったり、もしくは「異動が必要」ということにもなるかもしれません。

また、上記のような条件をクリアできていても、「それでも心配」という方が中にはいます。その場合は、本人が納得できるまでの体力作り・リハビリ期間をとったり、「復職後、1~2週間程度で再面談を行って確認しましょう」といった提案を行うようにしています。

ただ、おおよその方が問題なく復帰しておりますので、ある程度は「不安・心配の解消」が主体となっているようにも思います。入院・手術はやはり患者さんにとっては非常に重大なことであり、術後も心のケアが必要なんだ、と産業医になって改めて再認識させられた次第です。

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