うつ病などのメンタル疾患で休職中の社員が産業医に「復職を認めさせやすくさせる」ための4つのポイント【産業医マニュアル】

主治医が復職許可を出しているにも関わらず、産業医が「OK」と首を縦に振らないことがあります。理由は様々ですが、何らかの理由で「もう少し休職した方がいい」と産業医が判断しているケースというのもありえます。

恐らくそこで理由を明示し、何らかの条件をクリアできれば復職、ということになるでしょうが、できれば一回の面談で「早めに復職したい」というのが社員さんの本音ではないでしょうか。

そこで今回は、うつ病などのメンタル疾患で休職中の社員が、産業医に「復職を認めさせやすくさせる」ポイントについて書いてみたいと思います。なお、主治医が復職許可を出し、診断書などを書いていることを前提としています。

生活リズムが整っているとアピール

まずは、病気が快方に向かって、「復職する準備が万全」ということを示しましょう。そのためには、

・夜、大体同じ時間に眠ることができ、休職前と同様の時間に起きることができる。

・日中に疲労感をさほど感じることがなく、昼寝をすることもなく過ごすことができる。

・家事や外出も問題なくできる体力が戻っている。

・食事も三食、朝・昼・晩と十分に食べることができている。

といったことを示すことができますと、「まずまず、病状は快復しているな」と産業医も判断すると思われます。

こうしたことを示すため、日中の活動を記録した「生活記録票」などを用意しておきますと、より産業医も分かりやすいと思います(例:週間活動記録表)。

通勤訓練を実施してみる

主治医の許可の下ですが、「いつも通勤していた時間に、電車などに乗って会社近くまで行ってみる」という通勤訓練を実施しておくのもポイントです。

特に、会社から電車で1時間以上離れていたりしますと、早起きをする必要もあり、さらには座れない状況ですと体力的に厳しいのではないか、などと産業医も考える可能性があります。

そこで、「実際、朝に通勤をしてみて、通えるかどうか何日間か試してみました」などと面談で言いますと、産業医も「よし、通勤する上で問題はないな」と納得すると思います。

業務が可能なことをアピール

休職中に落ちた体力を、どの程度戻しているかどうかを産業医にアピールすることも重要です。もちろん、それほど激しい運動をする必要はなく、「毎日、散歩をして5000歩以上は歩くようにしていました」程度でOKだと思います。

また、うつ病などですと、病状によって「本や新聞を読んでいても、内容が頭に入ってこない」といった症状もみられることがあります。ですので、デスクワークが主体の業務でしたら、「毎日、朝・昼にデスクに向かって本を読んだり、勉強をするようにしていました」といったことを言うと、産業医も「よしよし、デスクワークもできそうだな」と判断できると思います。

休職前の振り返り

休職前、「どのようなことが原因でストレスを溜め込み、メンタル疾患を発症してしまったのか」ということを振り返っておくことも重要です。

たとえば、「誰かに頼ったりすることが苦手で、業務を一人で抱え込んでしまった」ということが原因でしたら、復職後は「一人で抱え込まないように、上司や同僚に相談するようにします」といったことを解決策として提示できると思います。

このように、休職前の反省と解決策をセットで伝えることで、産業医に「復職後は大丈夫そうだな」と判断してもらえると思われます。

以上です。
こうした4つのポイントを踏まえ、復職直前の生活を送っていただけますと、産業医も「復職OK」と意見書を書きやすくなると思います。もし復職前の産業医面談をお控えの方がおられましたら、ご参考にしていただけますと幸いです。

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