私は、初期研修終了後、三度の転職を経験しました。一度目は地方市中病院の内科医→常勤産業医という転職であり、二度、三度目は常勤産業医→常勤産業医という転職となります。
三度目はごく最近ですので、その経験を元に、「一・ニ・三回の転職の違い」「転職を成功させるために注意したいポイント」についてまとめてみたいと思います。
一度と二度目の転職で異なる点
まず、一度目の産業医の場合、あまり選択肢がありませんでした。というのも、「未経験」というハードルがあったためです。「未経験可」という求人はありますが、大多数は「未経験でも可」という意味であり、やはり経験者が優遇されるというところがほとんどです。
そのため、数少ない選択肢の中から一社受け、たまたま内定が得られたという経緯から、そちらに入社したという流れです。ちなみに、その時にお世話になったのが「リクルートドクターズキャリア」さんです。
今振り返ると、我ながら本当に運がよかったと思います。他の産業医の先生の話を聞きますと、やはり常勤産業医の求人自体が少なく、「まずは非常勤で」といった形で経験を積まれる方も少なくないようです。
その後、二度目の転職(産業医→産業医)ですが、やはり「経験者」ということもあり、選択肢の幅はかなり広がったと思います。一度目では少なかった、大手企業求人も多く舞い込んでくるようになり、結果としては複数社を受けて、結果、全て内定をいただけました。その中で、一部上場企業である大手企業に入社しました。
この時利用していた医師紹介会社は「リクルートドクターズキャリア」さんと「エムスリーキャリア」さんです。
結果として、「エムスリーキャリア」さんの紹介で内定をいただいた企業に入社、という形となりました。
二度目と三度目の転職の違い
二度目と三度目の転職の違いですが、この違いとしては、一つは経験年数(産業医経験2年と5年)と、もう一つは「産業衛生コンサルタントの取得」となります。
ただ、これらについて医師紹介会社のエージェントさんに聞いてみたところ、「書類選考を通りやすくなる」という要素にしかならず、やはり本番は面接ということになるようです。
今回、三度目の転職では、三社受けさせていただきました。一社目は書類選考後の面接で落とされ、二者目は最終面接で「もう一人の候補者が辞退したら内定」という状態であり、三社目は内定をいただけました。結果、三者目の企業に入社することになりました。
今回利用していた医師紹介会社は「リクルートドクターズキャリア」さんです。
三回目の転職で見えてきたもの
上記の流れで転職をしてきて、学んできたことがあります。それは、
・産業医としての経験はやはり重要。一方、中には臨床経験を重視するような企業もある。
・「社員と強調して働けるか否か」「コミュニケーション能力に問題ないか」という点を重視する企業も多い。
・複数産業医がいる企業では、すでにいる産業医のパーソナリティ次第では「働きづらい職場」となりうる(この点、面接でも感じ取れます。高圧的、威圧的、コミュニケーションに問題がありそうなドクターなどはよくよくお考えいただいたほうがよろしいでしょう)。
・求人はシーズンにもよって増減し、待ちの姿勢でいることも時には大事(実際、最初に転職を志したのは半年前でしたが、あまり求人がなかったため、転職時期をずらして本格始動しました)
・複数回転職していると、それぞれ転職した理由を面接の時に必ずと言っていいほど質問される。恐らく、転職回数が4~5回以上と増えていくと、転職はさらに厳しいものとなる可能性がある。
・いくつかの企業を見ていると、「自分にとって働きやすい環境・条件」が見えてくる(複数ドクターがいるほうがいいのか、それとも一人産業医の方がいいか。自分に合った週勤務日数や、労働時間もある。企業が産業医に求めるハードルの高さなど)。
・お世話になったエージェント、自分にとって合っているエージェントの連絡先などはスマホなどに残しておくと、転職を考えた時に相談できる。
といったことです。
特に「自分にとって働きやすい環境・条件」は重要です。これは複数社経験していると、自然と見えてくるでしょう。今回、私は「一人体制の産業医」「決められた業務をしっかりこなすことを求める企業(漠然と、”積極的に提案して欲しい”といった要求のある企業は避けた)」といった条件で求人先を選びました。
また、今回は今までお世話になった「エムスリーキャリア」のエージェントさんに声をかけ、さらにはたまたま連絡のあった「リクルートドクターズキャリア」のエージェントさんに求人情報の提供をしていただきました。やはりこれも人の縁であり、失礼のないようにしておくことが重要ですね。
以上、色々と書いてきて散文的になってしまいましたが、三回の転職で得られた経験がどなたかの参考になれば幸いです。