「大阪地裁平成23年10月25日」の裁判で、産業医の自律神経失調症で休職中の者との面談における言動が問題視された旨の判決が下されています。この例で分かるように、産業医の発言が原因で、実際に訴訟となっているケースもあります。
実際のところ、産業医との面談の中で「酷いことを言われた」と内心思っていらっしゃる社員の方もおられるでしょう。結局のところ人と人の面談ですので、「合わない」と思うことも少なくないと思います。
さて、そうした産業医の発言・暴言に「納得がいかない」と思われた場合、どう対処すべきかについて今回は書いてみたいと思います。
人事労務担当者に相談
一人で問題を抱え込んでおられている状態では、再面談に向かうのも苦痛でしょう。そのような場合、まず相談すべきは人事労務担当者でしょう。
そこでどのような発言が行われたのか、まず報告してみましょう。担当者が産業医に問題があると考えた場合、フィードバックがなされるはずです。
産業医が複数名いる場合は、担当変更を依頼
「この産業医、合わないなぁ」と思うことはやはりあると思われます。その場合、産業医が複数名体制であるならば、担当変更を人事労務担当者に依頼するのも手です。
ただ、小規模の事業所などですと、なかなかそうはいかないと思いますので、あくまでも複数名いる場合が対象となります。合わないと思っていながら、面談を続けるよりは、やはり担当替えを願い出た方がよろしいのではないでしょうか。
保健師に相談する、あるいは人事部に相談することで担当替えもしてもらえる可能性がありますので、「実は産業医の先生のことで困っていまして…」とまずは相談してみてはいかがでしょうか。
再面談時にも改められない場合
再面談でも産業医の態度・言動が改められないような場合は、録音しておくことも手です。さらにエスカレートする、もしくは声を荒げて怒鳴られるといったことがあれば、その音源を持って人事労務担当者に相談しましょう。さすがにそれならば人事も動いてくれるということもあるでしょう。
無断録音は望ましいとは言えませんが、あまりに度が過ぎた発言などがあるようでしたら、それもやむなしとも考えられます。
以上です。
本来は、社員の復職支援を行う立場である産業医が、妨げになっているのではシャレになりません。様々なケースはあると思われますが、それでも暴言などはあってはならないことです。もしお困りでしたら、上記をご参考にしてみてはいかがでしょうか。