産業医の方で、労働衛生コンサルタント(保健衛生)資格を所有していらっしゃる方も多いと思われます。受験する上で、記述試験を免除される(産業医学講習会を受講すると労働衛生コンサルタント筆記試験が免除されます)こともあり、「口述試験だけなら」ということが後押しになっているところもあるでしょう。
ただ、産業医が「労働衛生コンサルタント資格を有する」ことで、どのようなメリットが得られるのでしょうか?そのメリットについて今回は書いてみたいと思います。
1) 産業医としてのキャリアのステップアップとして
認定産業医になるためには、試験はありません。一方、労働衛生コンサルタントになるためには試験があります。そうした意味でも、キャリアのステップアップとして資格取得を目指される先生方が多いと思われます。
安衛法上、産業医とは、「労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識について厚生労働省令で定める要件を備えた者」と規定されています(労働安全衛生法 第13条 第2項)が、まさしく産業衛生分野におけるしっかりと知識のある人であると証明する資格と言えると思われます。
2) 転職の際に有効なことも
やはり資格を持っていますと、産業医として転職する際にも、ないよりは有利に働くでしょう。この点、1)にも関係していますが、やはり知識・経験などの証明となっていると思われます。
おおざっぱに言ってしまえば、「専門医代わり」といった側面がやはりあるのではないでしょうか。
3) 有期限の認定産業医資格、無期限のコンサル
認定産業医は、5年の内に単位を集めて申請しないと失効する可能性がありますが、その一方で労働衛生コンサルタント資格は失効することがありません。
認定産業医の失効により、すぐさま産業医資格がなくなるということではないようですが、それでも期限切れの証書を渡すのも気まずいでしょう。その点、労働衛生コンサルタントとしての証書を持っていますと、期限切れの心配がなくなる、ということは言えると思われます。
4) 開業も可能
労働衛生コンサルタントとして、開業することも可能です。もちろん、開業して上手く運転していくのは難しいでしょうけれども、開業し、嘱託産業医・労働衛生コンサルタントとして活動していくことは可能です。
その点、働き方の幅が広がると言えるでしょう。
以上です。
私的には、やはり1)-3) が大きな理由のように思われます。もし受験されるということでしたら、
産業医のための労働衛生コンサルタント口述試験対策マニュアル: 一発合格するための秘訣
まずはこれだけ!労働衛生コンサルタント口述試験対策問題集: 必須の41問
ここがポイント!2018年 労働衛生コンサルタント口述試験対策
をご参考にしていただけると幸いです。