「誰でも救急医になれる!」という、「向いていない」と過去に言われながらも救急医療の現場で奮闘されていらっしゃる国際医療福祉大学准教授・志賀隆先生の記事が掲載されていました。
「目標だった救急医に、なぜなれたのか。それは、救急医に欠かせないと一般的には思われている”無尽蔵な体力”や”オールマイティな知力”よりも大事な、3つの能力に気がつき、研鑽を積めたからです」とあり、「次回は、その3つの能力を取りあげ…」と、まだ結論めいたところは書かれておりませんので、それで反応するのはどうかも思われるかもしれませんが、まずはこれだけの記事を読んで、感想を書かせていただきたいと思います。
私は研修医の頃から当直、救急外来での担当がとても苦手でした。ですが、「これができなければ、臨床医を続けられない」といった強迫観念のようなものや、「やって当たり前」という上司の意向もあり、初期+後期研修でもちろんのことながら、当直、救急外来の担当を行ってきました。
ですが、とにかく向いていない。多くの人が集まって、チームワークを発揮して一つの目標に向かって動いていく、といったことに適性がないのです。そもそものそういった向き、不向きといった適性はどうしても存在するのではないでしょうか。
私としては、じっくりと主訴、経過、既往や検査結果などを総合的に判断し、治療を進めていく方が得意だと感じています。それぞれの得意分野で勝負するということでいいわけで、みんなが救急外来を担当しなければならないということでもないでしょう。
そもそも、医学部教育や研修で「内科・外科、救急などオールマイティにそつなくこなす」という医師を目指すことばかりが推奨され、現状では「そうでなければならない。できなければ落第だ」と言わんばかりです。ですが、皆さんそれぞれ得意分野に落ち着いていくわけで、救急対応が苦手な人は結局、苦手なままです。
もちろん、研修医が救急を経験することに反対しませんし、むしろ経験すべきではあると思います。ですが、仕事として「マスト」で強いられ続けるのは、話が違うと思うのです。経験を積んだ後は、それを行うかどうかは本人の選択に任せるべきではないでしょうか。
「自分は救急に向いていない」「当直がイヤで仕方がない」とお悩みの初期・後期研修医の方々も多いのではないでしょうか。ですが、それで「自分は医者失格だ」と自己嫌悪に陥ることはないと思うのです。そんな先生方にも、きっと得意分野があるはずですので、その得意分野で勝負すればいいと思うのです。
もし当直・救急外来の担当がイヤであれば、研修後にやめてしまえばいいだけです。そのような勤務先を選ぶこともできます。後期研修中ですと、「当直なし」といった条件は難しいかもしれませんが、少なくとも研修が終われば、そのような条件で転職することもできるでしょう。
結局のところ、いやなことは続きません。当直や救急外来などの担当がない転職をお探しでしたら、
といった会社に登録し、御相談なさってはいかがでしょうか。