外来ですと、お隣の会話内容が筒抜けになっており、ついつい耳に入れてしまうこともあります。お隣の外来は、開業医の先生が週1で担当されているところで、その丁寧な応対にいつも感服しております。
中には、言いがかりに近いようなことで、食ってかかるような患者さんもいれば、要領を得ずに延々と関係ないような話をなさるご高齢の患者さんもいらっしゃいます。そうした患者さんにも話をさえぎったり、けんか腰になることなく、丁重にお話をされています。
以前、その先生とお話をさせていただく機会があり、「先生、いつもご丁寧に応対されてますね」と話を振ったところ、「いえいえ」とご謙遜なさったあと、「勤務医時代は、もう少し強気でお話してましたけどね」とのこと。
勤務医であれば、「たとえ問題になっても、辞めちゃえばいい」と、心の中でひそかに思ってる部分がありますが、開業医ともなると、「医院を背負う」ということになります。少しの信用・信頼への傷が噂となり、命取りになりかねないということですね。よって、「ケンカ・言い合いなどできない」ということになるわけです。
立場が違えば、態度・考えも変わってくるということですね。ましてや、SNS隆盛のこの時代、どんな噂がネット上で立てられか分かりません。言いがかりをつけられようとも、「じっと耐える」「穏便に済ませる」方法をとることは大事なことですね。
カーッときても、「柳に風」「心頭滅却」「明鏡止水」の気持ちを保ち、患者さんに応対したいものですね。