【2024年度】労働衛生コンサルタント口述試験に合格するための完全マニュアル(スケジュール・用意すべきテキスト・勉強法)

私は幸いにして、労働衛生コンサルタントに一発合格することができました。今振り返りますと、十分に下調べをして、どのような勉強をすれば合格できるのかを自分なりに筋道立てることができたことが勝因であったように思います。

一方、私の知人の産業医は2年連続で不合格になってしまっており、その勉強法について話を効くと、やはり合否を分けるのは「正しい方向性、そして十分な量の勉強」をしているか否かということが改めて分かりました。

そこで今回は、労働衛生コンサルタント口述試験に合格するためにどのような勉強をすればいいのか、ということにフォーカスを当ててご説明できればと思っております。

要確認!「筆記試験免除」のための必要な条件

医師の場合、必要な条件を満たせば労働衛生コンサルタント(保健衛生)の試験で「筆記試験が全て免除」となります。

ですが、この「必要な条件」が間違えやすいので注意が必要です。必要なのは、

・公益社団法人日本医師会が行う「産業医学講習会」

・学校法人産業医科大学が行う「産業医学基本講座」

のいずれかの受講・修了です。ほとんどが日本医師会が行う「産業医学講習会」を受講されるかとは思いますが、こちらは認定産業医になるための基礎講座ではありません!更新のために必要な20単位を取得するための講座となっています。

ですので、「産業医学講習会」をしっかりと受講・修了しているかはぜひ確認をしていただければと思います。

医師が「労働衛生コンサルタント試験の筆記試験免除」となるのに受講すべき講座とは
医師の場合、必要な条件を満たせば労働衛生コンサルタント(保健衛生)の試験で「筆記試験が全て免除」となるという大きなアドバンテージがあります。つまりは、口述試験を突破するのみで合格することが可能となります。ですので、「それならば受けてみようか...

スケジュールについて

労働衛生コンサルタント試験の口述試験は、例年大阪は1月中旬の2日間、東京は1月末~2月初旬の3日間となっています。では、口述試験の対策として、いつから勉強を始めるべきなのでしょうか。

1月は今までやってきた勉強の総復習時期に当てたいところです。となりますと、12月までに全範囲を終えておく必要があります。このような逆算を行っておきますと、10月から勉強をスタートすると十分余裕があると思います。

特に、産業医の実務がない方ですと、用語に馴染みがなく「3管理ってなによ?」「リスクアセスメントってなに?」「許容濃度、管理濃度…なにそれ?」という状態なのではないでしょうか。そうしますと、より時間がかかってしまうため、10月に勉強をスタートさせておく必要があると思います。

用意すべきテキスト

労働衛生コンサルタント口述試験のテキストとしては、以下のようなものがあります。最低限、この2つは用意しておきましょう。

『労働衛生のしおり』は、まさに教科書です。押さえておくべきポイントが網羅されており、こちらの内容をしっかりと理解できていれば、十分に合格することができる内容となっています。

労働衛生コンサルタント試験を受ける上で、『労働衛生のしおり』を持っていないというのは考えられません。ちなみに、労働衛生コンサルタントになって、日本労働安全衛生コンサルタント会に所属していますと、毎年最新版が送られてきます。

『まずはこれだけ!労働衛生コンサルタント口述試験対策問題集』は、口述試験でよく出題される問題をまとめた問題集となっています。こちらの問題をほとんど解答することができれば、かなり合格は近いと思います。

勉強の順序での注意点

『労働衛生のしおり』などの教科書を頭から読んでから問題集を解く、という方が良いという方もおられるかもしれませんが、私はあまりおすすめできないと思っています。というのも、ページ数が多くてまずは「どこが押さえるべきポイントなのか分からない…」という状態に高率で陥ります。それで挫折してしまうということにもなりかねないわけです。

なのでまずは、「こういう問題が出るのか。となると、ここが重要ポイントだな」と分かった上で勉強を進めていく、そしてそこから周辺知識を習得していくという流れの方が挫折しづらい、そして何より効率がいいと思います。

なので、私としては「いきなり問題集→教科書で知識を広げる、理解度を高める」という流れの方が良いと思います。ただ、問題集だけですと必要な知識量、理解度は足りません。頻出問題を回答できるようになる練習とともに、『労働衛生のしおり』を繰り返し通読することもまた必要です。

第一段階「通読」

まずは、『まずはこれだけ!労働衛生コンサルタント口述試験対策問題集』を通読してみましょう。ですが、馴染みのない用語が多いという方がほとんどでしょうから、理解しづらい部分については、該当する『労働衛生のしおり』を読んで理解します。

このようにして、まずは覚えようとせず、「とりあえず一回読んでみよう」と思っていただければと思います。この通読によって、「どんなことが問われる試験なのか」ということの大枠が分かってくると思います。この「全体像や大枠を掴む」ということが最初の一歩でとても重要なことだと思います。

問題集の理解のため、『労働衛生のしおり』を虫食い的に読んでいる段階になったら、今度は『労働衛生のしおり』を一度通読してみましょう。すでにポイントはある程度つかめているので、押さえるべきところ、軽くサラッと読めば良いところの違いは分かるのではないでしょうか。この緩急があるだけでも、大分、通読は楽になっているはずです。

第二段階「予想問題集の作成」

『まずはこれだけ!労働衛生コンサルタント口述試験対策問題集』と『労働衛生のしおり』を通読した段階で、次はまた『まずはこれだけ!労働衛生コンサルタント口述試験対策問題集』に戻ります。

2回目では、答えや解説を参考にして、「このような内容だったら答えられる」という内容で問題に対する回答をまとめてみましょう。

この作業は、「予想問題集を自分で作っていく」ものであり、まずはこの問題集に掲載されている問題すべてについて、自分なりの回答を作っていくことになります。この作業の注意点としては、

・できるだけ短く、ポイントを箇条書きにしていく(だらだらと長い文章にしない)。
・コピペせず、自分でまとめる(コピペだと、ついつい長くなってしまう)。
・情報は詰め込みすぎないように注意する(覚えきれない)。

ということがあります。『まずはこれだけ!労働衛生コンサルタント口述試験対策問題集』の問題をまとめきったら、次は『労働衛生のしおり』の2周目に入っていきます。そこで、「これは出題されそうだ」と思った部分を問題にして、自分でまた「予想問題集」に追加していきます。

『労働衛生のしおり』のまとめが終わったら、次は

全国労働衛生週間実施要綱
第14次労働災害防止計画
筆記試験の記述問題

を参考にして、予想問題集に問題・解答例を追加していきましょう。

こうして作った予想問題集をWordなどで書いておき、そのファイルをGoogleドライブやOneDriveなどのオンラインストレージに置いておき、通勤時間などのスキマ時間に見て復習しておくと、覚えやすくなります。

私は現在、他の資格試験の勉強ではGoogle Keepを使っています。どこでもメモれますし、スキマ時間にこまめに見返すことができて非常に便利です。

第三段階「耳慣らし」

口述試験の筆記試験と大きく異なる点は、当たり前ながら「耳で質問を聞いて、口頭で答える」という点です。これに慣れるために、予想問題集で作った問題を、自分で読み上げてスマホのボイスレコーダーなどで録音して聞き、それに答える、という練習をしてみましょう。

12月末までに、予想問題集を作り上げ、さらにこのボイスレコーダーに録音する作業を完了させておき、1月は予想問題集の復習、聞いた問題に口頭で答える練習のみを繰り返していくのが理想です。

以上です。
基本的には、「予想問題集」を作成し、完璧に自分で問題に口頭で答えられるようになることが勉強の中心となります。

より詳しい勉強法や、試験の実際などの情報につきましては、


に記載しておりますので、ご参考にしていただければと思います。

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