日経メディカルが面白い企画を実施しており、1992年の記事を再掲しています。「変わる医師の職業観、もう「聖職」じゃない?」という記事ですが、その頃から医学生~若手が「プライベートな時間」を確保するために専門科を選択する傾向があると指摘しています。
92年と言いますと、約30年前。その間に初期研修改革、新専門医制度がスタートし、そしてもう少しで医師の働き方改革が行われることになるわけで、たった30年とは言え、めまぐるしく医師をとりまく環境は変わりつつあるな、と思う次第です。
「聖職」からの変化
一昔前の医師に対するイメージとしたら、長時間のハードワークに耐え、時間外の問い合わせ・呼び出しも当たり前…といったもので、それこそ「医師という生き方」を選ぶということに相違なかったのではないでしょうか。
そこから時代の変化とともに、「医師という働き方」を選ぶようになり、プライベートな時間も大事にしつつ、ライフワークバランスを意識するドクターも増えてきているように思います。
産業医としての働き方
ワークライフバランスで言いますと、産業医の労働環境は非常に良好です。私は現在のところ3社の産業医を経験しておりますが、どこも「残業もほとんどなし」「時間外の問い合わせや呼び出しなし」でしたし、加えて当然ながら当直やオンコールもありません。
「定時から大幅に時間を過ぎてから始まる長時間カンファレンス」もありませんし、「決まった時間に始業し、決まった時間に終業する。それ以外の時間は完全フリー」という過ごし方です。
「業務負荷」を調整できる産業医
もう一つ、産業医の利点があるとすれば、バイトによって業務負荷の調整もできる点であると思います。
私は本業に加えて、非常勤の外来バイトに加え、自宅でのオンライン診療バイトを行っており、このぐらいがちょうどいい負荷となっています。ストレスをあまり感じずに働くことができて、かといって負荷が軽すぎるということもありません。つまりは、複業で「自分の働きやすいように、無理のない範囲で働ける」ということが目指せるわけです。
働き方は自分で選べる
私がそもそも後期研修をドロップアウトして産業医へと転職したのは、勤務医という働き方に適応できなかったということがきっかけです。
当直や、深夜の問い合わせ・呼び出しなどが連日重なっており、さらには次々に先輩ドクターたちが退職されて業務負荷が増え、結果として体調不良で潰れてしまった…という経過をたどりました。
そんな中で、産業医への転職を選べたのは幸運であったと思います。勤務医を続けていた道もあったかもしれませんが、結果的には産業医として働く方が合っていたと思います。
もし現在、私同様に勤務医としての勤務が難しくなってきていて、別の道を選ぼうとしている方がおられるとしたら、「働き方は自分で選べる」ということを念頭にお考えいただくことをおすすめしたいと思います。
その中で、産業医を選ぼうということでしたら、ぜひ歓迎したいと思います。手順としては、認定産業医の資格取得を行い、リクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアなどの転職エージェントに求人紹介をしてもらいつつ転職活動といった流れとなります。退職前に動き出すことももちろんできますので、まずは求人紹介を受けてみてはいかがでしょうか。