産業医を「役立たず」と言わないで…面談を上手く活用するための3つのポイント

SNSを中心として、「産業医に相談しても、何も役に立たない」といった、産業医に対するネガティブな意見を散見します。たしかに、臨床医と異なり、診察・検査・治療をするわけではないので、「何のために面談なんか受けなきゃいけないわけ?」と思われるかもしれません。

以前、

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といった記事でもこうした話題に触れておりますが、特に上司や人事側から「面談を受けに行ってください」と指示され、仕方なく面談をすることになった社員さんが不満を感じておられるようです。

しかしながら、産業医は「使い方」によっても存在価値は変わってきます。そこで今回の記事では、社員さん側が「面談を上手く活用するための3つのポイント」について書いてみたいと思います。

「産業医の指示」と言えることの価値

メンタル不調で復職されたばかりの方、もしくはメンタル不調を抱えながら現在勤務中という方にとって、業務負荷をある程度軽減することは必要なことであると思います。

しかしながら、自分から「業務負荷を減らして欲しい」と上司に依頼することはなかなか言い出しづらいのではないでしょうか。たとえ伝えたとしても、「周りはもっと働いているぞ。君だけ特別扱いできない」などと言われてしまう可能性もあったりします。

そこで、「産業医から残業をすることは控えるように言われております。申し訳ございませんが、業務負荷を軽減していただけませんか?」のように、産業医による「就業制限」がありますと、それを盾にして上司に相談することができると思います。

口頭では不安、それでは相談しづらいということでしたら、産業医に意見書を書いてもらって、人事や上司に共有してもらうのも手です。

ですので、面談の結果を上司などにフィードバックする上で、産業医に相談して「就業制限」をかけてもらうというということも一つの活用法だと思います。

「現場の声」を会社側へ伝える役割

同僚の退職などで人員不足の状態ですと、業務負担が増加してしまうわけですが、そうした状況ですと、人事側へ把握してもらい、改善策をとってもらうことも必要です。

そのような場合、長時間勤務者面談などを利用して、面談でどれほど業務が大変であり、人手不足が深刻かを訴え、産業医の意見として会社側へとフィードバックしてもらってはいかがでしょうか。

上司や人事側が把握するまでに、タイムラグがあったりします。その点、どのような状況を知ってもらいたい、伝えて欲しいということでしたら、面談を利用するのも手だと思います。

こうした「現場の声を会社側へ伝える、聞く耳を持ってもらう」ということも産業医の役割の一つだと思いますので、そのような目的をもって面談を活用していただくこともよろしいのではないでしょうか。

「タオルを投げ入れる」セコンド的な役割

メンタル不調を抱えて勤務を続けていて、「もうこれ以上は無理。休職する必要がある」といった判断は、なかなか自分ではできないこともあります。

そんな時、「休む必要がありますよ」と伝えて、ボクシングのセコンドがタオルを投げ入れるかのように、「休職の必要があります」と意見書を書いて会社側へ伝えることも産業医の役割だったりします。

メンタルクリニックなどに通院して、主治医の診断書は改めて必要になると思いますが、受診まで待てないという場合は、産業医の意見書をもって、すみやかに休職することができると思います。

休職すべきかどうか迷っていて、なかなか自分では判断がつかない、踏ん切りがつかない状況で、産業医に面談をしに行くというのも意味あることではあると思いますので、ぜひ産業医面談をご活用ください。

以上です。
たしかに、「面談行ってきなさい」と、いやいや面談を受けることになりますと、「なんのために産業医面談なんか受けなきゃいけないんだよ」と思われるかもしれませんが、それも使い方次第ということをぜひ知っていただけますと幸いです。

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