メンタルヘルス対策-1次2次3次予防の視点からみた対策

メンタルヘルスに関して、コストや時間、緊急性から言っても、3次予防→2次予防→1次予防の順で手をつけていく方が無難であると思われます。それぞれの具体的な内容について、以下にお示しします。

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3次予防

どの企業も3次予防がしっかりと安定的に整備・安定されていることがメンタルヘルス対策の必須条件となります。

・復職支援システム:「メンタルヘルス対策-復職ルールを決める時に行うべき3つのステップ」をご参考にしていただき、システム制定を行い、少なくとも管理職レベルに浸透する必要があります。

・休養中の会社対応のルール化:休養中の不必要な会社との連絡は、本人にとって負担となります。また、連絡が途絶えてしまうのも、見捨てられた感が強くなってしまいます。休養中の連絡方法、連絡頻度などを標準化する必要があり、管理職や人事労務担当者がそれに従って連絡をとることが必要と思われます。

・復職後フォロー面談:復職直後には就業制限がつけられると思いますが、その後、就業制限が解除され、通常勤務となると再度、休養となってしまう可能性があります。制御解除時をイメージして、自己管理方法や業務コントロールの練習を行っていく必要があると思われます。復職後は、約1ヶ月ごとに産業医面談を行いながら、再発防止のためのフォロー面談が必要です。

・人事考課制度との連携:会社それぞれの人事考課制度の特徴を踏まえた上で、メンタル不調舎フォローが必要となります。特に、理解に乏しい対象者への管理職からの評価説明などの重要です。

2次予防

早期発見・早期治療を目指します。復職システムの運用が波にのり、もう少し軽症例のうちに手を打つ、といったことをお考えの際にやるべきことが次のようなものです。

・相談窓口の設置:通常は人事労務担当部署になりますが、健康管理室で行うこともあります。管理職が気づいた際、情報を集約してケース対応のときの判断を行う部門が必要です。

・過重労働面談:過重労働面談に関するルール作り(月100時間を超える時間外労働を行っている場合など)を社内で策定し、面談を行います。

・管理職教育:安全配慮義務、復職ルール、社内のメンタルヘルス対策、ケーススタディ、早期発見のポイント、早期対応できる具体的行動などについて、教育を行います。

・勤怠チェックシステム:主に人事が主導し、社員の勤怠を月ごとにチェックします。たとえば、月5日以上の休みが生じた場合は、有給も含めて管理職が事由を確認し、システム内の備考欄に記載する、といったルール作りです。

・早期発見の勧め:どのような状況で、どのような言葉で本人に受診勧奨すればいいのか、といったマニュアルやルール作りを整備します。

1次予防

対象人数は多く、コストがかかるし、評価が難しいといったこともあり、どうしても最後に回ってしまう内容です。ただ、重要なことであるには変わりありません。

・労働時間マネジメント:目標労働時間を部署単位で競わせる、など。進捗の悪い部署は責任者から現状打開策を企画・プレゼンしてもらうといった方策をとります。

・新入社員や一般職教育:「メンタルヘルスとは」「こんな症状があったら、ここに相談してください」といった教育を行います。認知療法的な研修や上司やチーム内での交渉力UPのためのネゴシエーション研修なども行ったりします。

・社員採用との連携:メンタル不調舎や既往歴、ストレス耐性チェックなど、採用者に情報提供しておくだけでも重要です。

・異動後、昇進後フォロー:異動や昇進後にメンタル不調者が出やすくなります。異動後、昇進後に、直属上司や人事による面談をルール化するなど。

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