キャリア形成において、「プロティアンキャリア」という考え方があります。環境の変化に応じて、柔軟に変化させるキャリアのことです。ギリシャ神話にプロテウスという神が登場しますが、このプロテウスが変幻自在であることからきているそうです。
一昔前ですと、「大学医局に所属するのが当然、専門医資格や博士号を取得するのが当然」と、ほぼ一直線のキャリアのみで、その後に「病院へ転職」「開業する」といったいくつかの分岐がある、といったことがほとんどだったように思います。
ただ昨今、初期臨床研修におけるマッチング制度の導入、新専門医制度の導入、超高齢化社会における医療ニーズの変化などを皮切りに、一本道だった医師人生・キャリアに変化が起きています。
また、コロナ禍によっても、買い手市場だった人材採用の現場にも変化が現れつつあります。バイト求人自体の減少により、今まで可能だった「ドロッポ医的な生き方」が難しくなりつつあります。これは今までも「バイトから常勤へ」と業務がシフトしていく中で、とどめを刺した形になったと思います。
今後、2024年をはじめとして「医師の働き方」にもメスが入り、働き方改革が行われていくようになると考えられます。
こうした「変化」に対応できない病院(大学病院を含む)、クリニックなどは淘汰されることになり、その過渡期に時流が読めない医師たちは「不利益を被って割を食う」ということになってしまうのではないでしょうか。
ガチガチに固めた「一昔前に考えたキャリアプラン」のみを頼りに歩んでいくことはやはり危険であり、今後はキャリアを語る上で「で、自分はこれから何をしたいんだ?」と問いかけることが必要なのかな、と思っています。一昔前と比べて、格段に大きい変化の波が襲ってくる時代だからこそ、「プロティアンキャリア」という周囲の変化に適応できるキャリア形成を念頭に置く必要があるのではないでしょうか。
臨床医の「我慢、滅私奉公」があるからこそ、医療が成り立つのだという側面は否定できませんが、その中でも「一本道で、みんな安泰」と思っていると、周囲の変化に気づけず、「こんなはずでは…」と思う時が来るかもしれません。
もしそんな時、「キャリアの変化」を望むということでしたら、まずはリクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアなどの転職エージェントに相談して、今後のことを改めて考えてみてはいかがでしょうか。