ここで言う「ドロッポ医」とは、常勤勤務医からドロップアウトして、非常勤・スポットバイトなどで食いつないでいく医師のこと(「ドロッポ医師」が誕生するまでの3ステップ-きっとあなたはまだ踏み止まれる)と定義しますが、特に「寝当直バイトのみを繰り返して稼いでいく」ということは避けたほうがいいと思います。
実際、ドロッポ医と呼ばれるドクターの方々も、定期的な非常勤外来バイトなどをしっかり入れた上でスポットバイト(単発のバイト)を行っていく方が多いと聞きますが、中には「寝当直バイトのみ」といったことを行ってしまう方もおられるようです。
ではなぜ、「寝当直バイトのみ」を繰り返していくのはやめたほうがいいかと言いますと、次のような理由が挙げられると思われます。
スポット、非常勤バイト求人の減少傾向
昨今、病院・クリニック経営もさらに大変になりつつあり、スポットバイト、非常勤バイトの求人数も以前と比べて減少傾向にあります。
また、このコロナ禍により、感染リスクを考慮してバイト医師(特にスポットバイトの医師)を極力排除するといった動きもあるようです。実際、私の勤務する病院でもスポット医師枠が消えていました。
今後、「寝当直バイト」もいつ切られるか分かりませんし、また、次を探そうにもなかなか好条件のバイト求人がないかもしれません。非常に不安定なであると思われます。
つぶしが利かなくなる可能性
上記のような状況で、寝当直バイトの求人がなかなか見つからなくなった場合、「外来バイトを」ということになるかもしれませんが、やはりブランクがあったりしますと、感覚を取り戻すのに時間が必要になると思います。
私も経験ありますが、3ヶ月ほど外来勤務から離れていましたところ、「あれ?あの薬の名前なんだっけ?」といったど忘れを何度か経験しました。やはり期間を置きすぎてしまいますと、以前の勘を取り戻すのに苦労するかもしれません。
こうした点から、「つぶしが利かなくなる」なんてことが起こりうるかもしれませんので、寝当直バイトのみを繰り返すことは避けるべきかと思われます。
生活リズムが乱れがち
寝当直とは言え、勤務が明けるのは朝~昼であり、当直を繰り返していると、ついつい夜型の生活リズムになってしまいがちです。
朝起きて、昼間~夕方まで働いて夜に寝る…という生活から離れてしまいますと、またここから「別の常勤先で勤務を」ということになった場合、生活リズムを戻すのに苦労する可能性もあります。
以上です。
バイト求人の減少傾向に、コロナ禍がダメ押ししてしまった傾向にあると思われます。今後、ますますその動きが加速する前に、無理をしない就業条件での常勤勤務先を探してみてはいかがでしょうか。
私自身も、後期研修医時代の研修先を退職し、数ヶ月はドロッポ生活をしておりました。そこから、「リクルートドクターズキャリア[PR]」のキャリアエージェントに相談し、産業医として企業へ入職しております。私も恐らく、あのままドロッポ生活を続けておりましたら、そのまま続けてしまっていたように思います。できるだけ早めに常勤の勤務先をお探しいただくことをオススメしたいと思います。