産業医への転職が「最適解」となる人/ならない人の違い

臨床医から産業医に転職する理由は、人によってさまざまです。強い使命感を持って産業医を目指す人もいれば、臨床に疲れて一度距離を置きたいという人もいる。あるいは私のように、そもそも臨床医としての適性がなく、気づけば「臨床以外の道」を探していた、という人もいます。

産業医への転職が「最適解」になるかどうかは、こうした転職の動機や背景によって、ずいぶん変わってくるように思っています。

ブレにくい人、ブレやすい人

産業医への転職においてブレにくいのは、身も蓋もない話かもしれませんが、「他に選択肢がほとんどない」という状況の人だと感じています。

一つは、私のように臨床医としての適性に問題があり、「臨床以外の道」を選ばざるを得なかったケースです。戻る場所がない分、産業医として続けていくことへの覚悟が決まりやすい側面があります。

もう一つは、一般的には珍しい部類の方とは思いますが、「産業医になりたい」という強い意志を最初から持っている人です。明確な目的がある分、転職後も方向性がブレにくくなります。

一方で、難しいのは「臨床医としても続けられる、産業医にもなれる」という複数の選択肢がある人です。以前、私の同僚にも「臨床に疲れてしまったから」という理由で産業医に転職した人がいました。しかし、その同僚は現在、臨床医に戻っています(元々、精神科医で、現在も精神科医を続けています)。

この転職をどう見るかは難しいところですが、産業医という選択が一時的なものに終わるというドクターも少なからずいらっしゃいます。「疲れからの逃避」型の転職の方もいるわけです。

「最適解」は、その時々で変わる

産業医への転職が「最適解」かどうかという問いへの答えは、実は一筋縄ではいかないものだと思っています。上記の同僚の話で言えば、「臨床に疲れてしまった」タイミングでは、産業医という選択は確かに最適だったのかもしれません。一方で、しばらくして臨床に戻ったということは、その時点では「産業医はもはや最適解ではなくなった」ということになったということでしょう。

つまり、「最適解」かどうかというのは、その時の状況や自分の状態、気持ちの変化によって動くものです。転職前に「これが本当に正しい選択なのか」と延々と考え続けることに、あまり大きな意味はないのかもしれません。自分自身が「今、どうしたいか」という軸で判断することの方が、実は正直な答えに近かったりするのかもしれません。

転職での「ガチャ」要素

転職の難しいところは、「やってみないと分からない」という不確実性が避けられないことがある点です。

産業医への転職に限った話ではありませんが、どれだけ事前に情報を集めても、実際に入職してみて初めて分かることは山ほどあります。産業医の場合は特に、どの企業に入職するかによって(企業のカラー、人間関係など)、働きやすさや業務内容が大きく変わります。求人票で同じように見えても、社内の雰囲気や担当者との相性、求められる役割が全く異なるということはざらにあります。

企業との「合う・合わない」は、ある程度やってみないことには判断できません。これは運の要素も含まれる、いわばガチャのような部分です。

悩み続けることが、必ずしも正解ではない

「転職すべきか」「産業医が自分にとって最適解なのか」と、答えの出ない問いを延々と考え続けることは、場合によってはあまり意味がないことかもしれません。

もし今、「産業医の仕事に興味があるな」と感じているなら、転職に前向きに動き出してみるのも一つの手だとは思います。ですが、考え続けても「完璧な確信」というのは決して得られないと思います。一方で、そこでまず動いてみることで見えてくるものは必ずあるはずです。

まずは情報を集めることから始めてみるのが一歩目としては良いと思います。求人情報を調べて、比較してみるのがその最たるものだと思います。産業医への転職を少しでも考えているなら、リクルートドクターズキャリア[PR]のような転職エージェントに相談してみることで、自分の状況に合ったアドバイスをもらいながら、次の一手を考えることができます。相談から始めてみてはいかがでしょうか。

タイトルとURLをコピーしました