「診療所の建築はOKだけど、病院はNG」と制限を受ける土地がある理由

友人の影響で、宅建の試験に興味を持ち、現在勉強中です。そんな中、法令上の制限の中で、「用途制限」の分野で、医療と関わりのある内容が出てきました。

用途制限とは、簡単に言えば「それぞれの地域で、どのような用途の建築物を造ることができるか否かということを定めたもの」となります。

たとえば、閑静な住宅街で、学校などもあるところでパチンコ屋、キャバクラ、ナイトクラブなどが乱立してしまっては困るわけで、そのような街づくりをする上でOKな建築物、NGな建築物をそれぞれ決めているというわけです。

では、診療所と病院、それぞれどのような制限を受けるのか、今回はそのことについて解説してみたいと思います。

診療所と用途地域

まず診療所ですが、これはどの地域でも建築可能です。一番制限が厳しい第一種低層住居専用地域であろうと、商業地域であろうが工業地域であろうが、どこでも建築可能となっています。

人が存在する以上、やはり病気や怪我で受診できる診療所がないと困ってしまうわけで、診療所はどこでもつくることができるというわけです。

ちなみに、診療所以外に用途地域的に「どこでもOK」なのは、保育所、交番、神社・寺院・教会等があります。

病院と用途地域

では、病院ではどうかと言いますと、「第一種低層住居専用地域」「第二種低層住居専用地域」「田園住居地域」「工業地域」「工業専用地域」には建築NGとなっています。

それ以外のところではOKで、様々なところにつくれるわけですが、診療所とは異なり、やはりある程度の制限はあるということですね。

ちなみに、「診療所」と「病院」はどう違うのかと言いますと、医療法では、入院可能人数によって、以下のように分けられているようです。

・病院:20人以上の患者を入院させられる施設
・診療所:19人以下の患者しか入院できない、もしくは入院設備がない施設。

基本的には、診療所の場合は入院病床のない「無床診療所」がほとんどであると思いますが、入院設備はあっても19床以下であれば「診療所」となるということですね。

では、実際に宅建試験でどのように出題されているか、問題を見てみましょう。

宅建 過去問

【問題 平成12年問23の選択肢】
1 病院は、工業地域、工業専用地域以外のすべての用途地域内において建築することができる。◯か☓か?

【答え】
正解は、☓です。
1の選択肢については、「第一種低層住居専用地域」「第二種低層住居専用地域」「田園住居地域」でも建築できないため、誤りであるということになります。

【問題 平成4年問24の選択肢】
第一種低層住居専用地域内においては、病院は建築してはならないが、診療所は建築することができる。◯か?☓か?

【答え】
正解は、◯です。
問題の文章の通りとなります。

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