【医師の転職】メンタル不調の中で自らに「ドクターストップをかける」ことの難しさ

私としては初めての経験でしたが、長時間勤務者の面談をしていて「要休業」と判断して意見書を作成の上、休職してもらった30代男性の社員さんがいました。

約1年に渡って、会社側に負荷軽減の配慮を求めていましたが、上司や人事側は「他の社員と比べて負荷が高すぎるということはない」と判断されていました。結果、不眠症状や抑うつ状態が増悪し、メンタルクリニックを通院していたとのことです。

「朝、目が覚めると、体が重くて、吐き気もして…とてもじゃないけど電車に乗って通勤する気になれないんです。だから、平日は会社近くのカプセルホテルに泊まって出勤していました」と言っていたのには驚きました。よって、これはもう休業してもらうしかないなという判断に至りました。

今回、たまたま面談があったから私の方で休職を提案できましたが、このまま面談もなく勤務し続けていたら…と思うと、心配でたまりません。人事には相談しても、「産業医に相談する」という選択肢は元々、彼の中でなかったようです。

彼の面談を通して思ったことですが、不眠、抑うつ、倦怠感などの症状が悪化している中だと、「これは休んだ方が良さそうだぞ」といった判断が、なかなかしづらくなってしまうということがあるということです。

私も後期研修医時代、不眠症状。抑うつ症状が悪化し、「無理やり深夜に大量に飲酒して寝て、遅刻ギリギリで出勤する」といったことを繰り返していました。重い体を引きずって出勤する時の辛さ、絶望感を面談した彼も感じていたのかな、とつい過去の自分に重ね合わせてしまいました。

こうした状況だと、いわば自分自身で「ドクターストップをかける」ということがなかなかできないものです。茹でガエルの理論のように、「次第に体調が悪化する、病状が悪化する」ということですと、どこから休むべきなのか、治療すべきなのかも自分では判断できなくなっていくのかもしれません。

もし仕事によるストレスで体調悪化を自覚しているということでしたら、「思い切って休む」「(医師であったとしても)思い切って精神科・心療内科を受診してみる」といったことが必要なのではないかと思います。

その上で、「無理のない働き方」を改めて考えていく必要があり、その一助としてまずはリクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアなどの転職エージェントにご相談してみることをおすすめしたいと思います。

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