「私が病気になったのは同僚のせい」と怒って攻め立て続ける社員にどう対応するか?【産業医マニュアル】

20代の女性社員が出社できなくなり、「産業医面談を」ということになりました。「業務負荷が高い」ということがストレス要因となり、不眠症状、焦燥感、苛立ちなどの症状が出ているとのことでした。

内科通院はしていたのですが精神科受診はしていなかったため、「お近くのメンタルクリニックを受診してください」と指示しました。そこでの診断は「双極性障害(いわゆる躁うつ病)」であり、通院治療が始まりました。2ヶ月ほどが経過した後、「主治医の復職許可が出たので、産業医面談を」ということになりました。

が、そこで以前の彼女とは違っていて私も驚いてしまったわけですが、面談で喋るわ喋るわ…その多くが同僚の女性社員が「仕事もせずにサボっている。それでいて話しかけてきて、私のことを邪魔する」「男性社員がセクハラまがいのことをしてくる。言動が荒っぽいし、パワハラですよね」…などなど、「他責的」という言葉がぴったりな様子でした。

「自責」と「他責」という言葉があります。失敗や過ちなどの原因を、どこにあると考える傾向によって分けられる言葉で、自分自身にあると考える傾向にあるのが「自責的」、他人にあると考えるのを「他責的」などと言ったりします。

躁うつ病の「躁(ハイな状態)」になりますと、怒りっぽく攻撃的になるのも症状の特徴であったりします。また、上記の女性社員もそうでしたが、「自分は仕事ができて、他の人がサボっている、仕事ができない」と上から目線になってしまう自信過剰な「万能感」を感じたりします。

「これは…よくなるどころか悪化してるのでは」と思った次第ですが、主治医の復職許可も出てしまっている、本人も頑として「復職を」と言っているため、上司に相談し、「同僚に対して攻撃的な言動などを行う可能性がある」と注意した上で復職することになりました。

結果、初日にやはり同僚との間にトラブルを起こして泣き出して帰宅し、再休職することになってしまいました。これで本人も懲りたようで、「もうしばらく休む必要がありますね…」とやや殊勝な態度となりました。

主治医に起こったことを相談してもらい、「治療差し戻し」となり再休職となったわけですが、こうした対人トラブルを起こす可能性もあり、職場、上司としては対応に苦慮することもあったりします。

相手を責め立てるような言動を行い、同僚とトラブルになってしまう、あるいは「一方的に喋りまくる(多弁)」などといった傾向がある社員さんがおられましたら、「注意する」といったことではなかなか対処できないということもあります。その時はぜひ、産業医や人事と連携して事にあたっていただけたらと思われます。

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