某医師掲示板に、「外科医から産業医への転身を考えていて、面接でどのような質問がなされるのか気になります」というスレッドが立てられていました。
採用面接でほぼ必ず質問されるのが、
・どうして産業医になろうと思われたのですか?
・なぜ弊社に入職をご希望なのですか?
の2つの質問だと思います。志望動機にまつわるものはやはり外せないものだと思いますが、ここはぜひアピールしたいところです。
では、「どうして産業医になろうと思われたのですか?」という質問ですが、本音では「臨床医はもう体力的に無理なので。産業医は楽でしょ?」と思っていても、決してそのことは口にしてはいけません。信じられない話ですが、以前、転職エージェントの方に伺ったところ、本当にこのようにお答えになったドクターがおられたそうです。
「どうして産業医に?」という質問には、恐らく「なんでわざわざ臨床医やめて産業医になるの?」という意味合いが含まれています。さらに言えば、「臨床医はもう無理なんで」という消極的な理由よりは、「ぜひ産業医として勤務したい!」という積極的な理由が求められていると思われます。
「積極的な理由」ということで言えば、よく用いられる志望動機として、
・外来で患者さんを診ている内に、勤務の忙しさからなかなか生活習慣病の治療に取り組めていない方々を多く見かけるようになったので、産業医という立場でそのような社員さんを一人でも多く重篤な病気にならないようにしたいと思ったから。
・身内が、健診で受診するよう指示されていたにも関わらず、受診せずに放置してしまった。その結果、糖尿病の合併症で人工透析をせざるを得なくなってしまった。このようなことが社員さんに一人でも多く起こらないように産業医としてサポートしたいと思った。
・様々な重篤な疾患を発症して入院する方々を診て、「こうなる前に防げたはずでは…」と思うことが多々あった。そのような方々を産業医という立場で一人でも救いたいと思った。
・産業医の講習会を受講する機会があり、そこでの話で産業医という仕事に魅力を感じたから(当然のことながら、講習でどのような内容が話されていたか、しっかり用意してから面接に臨みましょうね)。
などがあるかな、と思います。ちなみに、一次面接と二次面接で異なることを言ってしまうと「ん?ウソついてないか?」と思われてしまう可能性がありますので、しっかりと「一次面接ではどのようなことを話したか」ということはメモしておき、齟齬が生じないようにご注意いただければと思います。