産業医として「3回の転職」を繰り返して分かった「今まで当たり前だったこと」のありがたさ【医師転職】

産業医として転職を繰り返しておりますと、様々な職場、労働条件があるわけで、「今まで当たり前」と思っていたものが、実はとんでもなくありがたかったと気づく瞬間があったりもします。

たとえば健康保険。協会けんぽないし健康保険組合などに加入しておりますと、ざっくりと言いますと「保険料を雇い主の側が、半分払ってくれているし、扶養家族の分も持ってくれる」ことになり、かなりお安くなっているわけです。ですが、それが国民健康保険になった途端、負担する保険料が跳ね上がってしまいます。

また、保険料の支払いや手続きもほとんど会社側がやってくれるわけですが、国民健康保険になった途端、「ご自分でどうぞ」ということになります。こうしたことを、私も「週3日勤務の産業医」として勤務するようになって身にしみて分かるようになりました。

また、交通費も「それは年俸に含まれてます。こちらはもちませんよ」という企業もあります。健康診断も「ご自分で受けてください」となり、健保の豪華な人間ドックが受けられていた時期が「とんでもなく恵まれていたんだなぁ」と分かりました。

あとは年末調整も、以前の会社で「確定申告をやってるから別にいいでしょ。面倒くさいなぁ」と思っていました。ですが、あれも実は「年末調整をやっていると、源泉徴収税額が大きく変わる」と最近になって知りました。

給与所得の源泉徴収税額表によりますと、区分が甲・乙・丙に分かれており、年末調整をやっている場合、「甲」区分となって源泉徴収を大きくとられずに済んでいるわけです。乙ですと年末調整をやっておらず、「源泉徴収を大きくとって、確定申告をやると還付する」という形になっています。

実は「年末調整をやってくれている」企業はとてもありがたく、「なんで今まで感謝なく面倒くさがっていたんだ…」と反省しました。

また、今回のコロナ禍で、新型コロナウイルスワクチンの接種も「産業医+非常勤外来バイト医」の私は「打ってもらえないんだろうなぁ」と思う状態になっていました。しかしながら、バイト先のご好意で打てることになり、幸運にも打っていただけることになりましたが、今後もし同様の事態になったら「困るだろうなぁ…」と思った次第です。

というわけで、転職をしますと「当たり前だったものが、当たり前じゃなかった」と気づくことがあります。こうした点はやはり応募前・入職前にぜひ知っておくべきで、なかなかご自身で全て質問するというのは難しいでしょうから、ぜひリクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアなどの転職エージェントにご相談されて代わりに確認してもらうことをおすすめしたいと思います。

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