産業医の私が「当直やオンコールがイヤだから、臨床医を辞める」ことを積極的には後押しできない理由【医師転職】

ツイッター上で、「当直がイヤだから臨床医を辞める」ことを推奨するようなツイートを見かけました。臨床医と思しき方のアカウントの方ですが、こうした意見を読んで「じゃあ自分も辞めようかな…」と思ってしまうのは早計かな、と思っています。

私自身、臨床医時代に不眠症状に悩まされ、当直や深夜呼び出しなどに耐えきれず退職して産業医になっているわけですが、だからと言って「臨床医はムリ…なら、産業医になれば?」ということは勧められません。

私の場合、たまたま産業医という仕事が水に合っていただけであり、他の臨床医の先生方がみんな産業医を続けられるとは思えないからです。実際、産業医をしていても、臨床の世界に舞い戻った知人もいます。

「ハードな臨床医か、産業医か」という二者択一ではなく、医師の働き方には実際にはもっと選択肢が存在すると思うのです。ただ、疲れきっていたり、私の臨床医時代のように体調不良を抱えていますと、「今の仕事に耐えきれない…ならば、臨床医を辞めるしかない」などと極端な考えになってしまいがちです。

ただ、現在の勤務に耐えきれないという事実がある場合、そのまま働き続けるのはやはり好ましくはないと思うのです。その場合は、まずは現在の職場の上司と話し合い、「当直やオンコール回数を減らす、受け持ち患者数を減らす」といった業務負荷軽減について検討してもらうべきなのではないかと思っています。私の場合、これが上手くできずにただ単に辞めてしまったように思います。

しかしながら、それができない、許容されないという職場があるのもたしかです。そのような場合は、やはり勤務条件を交渉した上で転職することを考えるべきではないか、と思うわけです。もちろんこれは「臨床医を続ける」ということを前提とした話であり、「臨床医を辞める」ということではありません。

ただ、なかなか「当直なし」といった条件の求人を探したり、交渉を上手く行うことは難しかったりもします。そのような場合は、リクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアなどの転職エージェントに間をとりもってもらうこともご検討いただいてはいかがでしょうか。

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