企業が産業医を雇う上で、「未経験可」というところもあります。そもそも、経験がないよりはあった方がいいのでは、と思うところですが、なぜか「産業医未経験でも雇い入れますよ」というわけです。
「他に経験のある産業医や保健師がいますから大丈夫ですよ」「臨床経験も含め、色んな経験をお持ちの先生を雇い入れたい」というのが表向きの理由でしょうが、本音としては以下のようなものがあると思っています。
年収を抑え、安く雇える
常勤産業医を雇うにあたって、最低でも1千万円のコストがかかるわけですが、企業としてはできるだけ安く抑えたい、というのがそもそもの本音です。
産業医経験が乏しいということであれば、年収を抑え、安く雇えます。そのため、あえて「経験ある産業医の下でトレーニングすることを前提に、安く雇い入れる」ということをするのだと思われます。
理由としては、やはりこの点が一番大きいと思います。産業医学に力を入れて、湯水のように予算が使える企業は別でしょうが、大半はコストを抑えることを一番に考えていると思います。
他社の変なクセをつけていない産業医を雇える
他社で産業医をしていますと、その企業の特色やある程度の経験による「変なクセ」がついてしまっている可能性があります。
それを嫌い、独自のマニュアル、人事のやり方で産業医業務をやってもらいたいと望む企業は、未経験の産業医を雇う可能性があります。
他の産業医との相性を考えて
すでに入職している産業医がいる場合、やはりその医師よりも年上で経験もある産業医というのは雇いづらいところです。
そのため、すでに40代の産業医がいる場合、30代の産業医を雇いたい、といったことになるわけですが、そうなりますと「未経験で若い医師でも」となる可能性があります。
以上です。
このように、未経験の産業医求人は皆無に等しいということはありません。実際、私も未経験の際、常勤産業医として雇い入れてくれた企業もありました。
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