転倒災害は、休業4日以上の死傷災害の中で最も件数が多く1/4を占めている状況です。そこで、厚生労働省と労働災害防止団体は、「STOP!転倒災害プロジェクト」を実施しています(積雪や凍結による転倒災害が多発する2月、全国安全週間の準備月間である6月を重点取組期間)。
労働衛生コンサルタントの面接試験でも問われる可能性があると考えられます。そこで今回は、「労働災害の防止対策」についてまとめてみました。
一般的な転倒災害防止策
・作業環境管理
1) 作業通路における段差や凹凸、突起物、継ぎ目等の解消
2) 4S(整理、整頓、清掃、清潔)の徹底による床面の水濡れ、油汚れ等のほか台車等の障害物の除去
3) 照度の確保、手すりや滑り止めの設置
4) 危険箇所の表示等の危険の「見える化」の推進
・作業管理
1) 転倒災害防止のための安全な歩き方、作業方法の推進
2) 作業内容に適した防滑靴やプロテクター等の着用の推進
3) 定期的な職場点検、巡視の実施
・健康管理
1) 転倒予防体操の励行
冬季における転倒災害防止対策
・気象情報の活用によるリスク低減の実施
ア 大雪、低温に関する気象情報を迅速に把握する体制の構築
イ 警報・注意報発令時等の対応マニュアルの作成、関係者への周知
ウ 気象状況に応じた出張、作業計画等の見直し
・通路、作業床の凍結等による危険防止の徹底
ア 屋外通路や駐車場における除雪、融雪剤の散布による安全通路の確保
イ 事務所への入室時における靴裏の雪、水分の除去、凍結のおそれのある屋内の通路、作業場への温風機の設置等による凍結防止策の実施
ウ 屋外通路や駐車場における転倒災害のリスクに応じた「危険マップ」の作成、関係者への周知
エ 凍結した路面、除雪機械通過後の路面等における荷物の運搬方法、作業方法の見直し