「13次防」から見る労働衛生コンサルタント試験の2018年(平成30年)度予想問題

2018年(平成30年)度は、4月から「第13次労働災害防止計画」が開始されています。2023年までの5年計画であり、「労働災害防止計画」で、国はどのような点について重点的に取り組むかを示しているものです。

「一人の被災者も出さないという基本理念の下、働く方々の一人一人がより良い将来の展望を持ち得るような社会」をスローガンとしており、やはり多様な働き方、働き方改革というものを強く意識した内容となっているようです。

コンサルタントとして、こうした安全衛生・産業衛生をとりまく情勢については知っておくべきであり、労働災害防止計画の重点項目については問われる可能性があります。やはり一度は目を通しておかれることをお勧めします(『第13次労働災害防止計画』)。また、その内容によって、以下のような試験対策を行っていただいた方がよろしいかと思われます。

目標および重点事項については、
【主な目標】
・2022年までに、労働災害による死亡者数を15%以上減少させる(2017年比)
・この他、労働災害による死傷者数(休業4日以上)、重点業種、メンタルヘルス対策、化学物質による健康障害防止対策、腰痛予防対策、熱中症予防対策について数値目標を設定
【重点事項】
1) 死亡災害の撲滅を目指した対策の推進
2) 過労死等の防止等の労働者の健康確保対策の推進
3)就業構造の変化及び働き方の多様化に対応した対策の推進
4) 疾病を抱える労働者の健康確保対策の推進
5) 化学物質等による健康障害防止対策の推進
6) 企業・業界単位での安全衛生の取組の強化
7) 安全衛生管理組織の強化及び人材育成の推進
8) 国民全体の安全・健康意識の高揚等
となっています。

こうした内容から、やはり「過重労働対策/メンタルヘルス対策」「疾病治療と職業生活の両立」「化学物質による健康障害防止対策」というのは大きなヤマ場となることは間違いないでしょうね。よって、

過重労働対策/メンタルヘルス対策
・過重労働対策について説明せよ
・過重労働による労災が発生した場合の対策について説明せよ
・事業場でのメンタルヘルス対策の取り組み方について説明せよ
・メンタルヘルスケアにおける4つのケアについて説明せよ
・メンタルヘルス不調者の職場復帰支援について説明せよ

治療と職業生活の両立
・治療と職業生活の両立支援の進め方について説明せよ
・治療と職業生活の両立支援を行うに当たっての留意事項について説明せよ
・両立支援を行うための環境整備について説明せよ

化学物質による健康障害防止対策
・リスクアセスメントの方法について説明せよ
・リスク低減措置について説明せよ
・コントロール・バンディングとは何か説明せよ(メリット、デメリット含む)
・作業環境測定の方法と管理区分の決定方法、管理区分ごとの対策について説明せよ
・有機溶剤、石綿による健康障害対策について説明せよ

などの問題はぜひ押さえておきたいところです。特に、疾病治療と職業生活の両立については、昨年度に筆記試験でも出題されていることから、今後、口述試験でも出題される可能性が増えると思われますので、要チェックです。

なお、上記の問題の解答例、解説につきましては、拙著『まずはこれだけ!労働衛生コンサルタント口述試験対策問題集: 必須の41問』に掲載しております。ご参考にしていただけると幸いです。

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