産業医のあるべき立場として、労働者と企業、いずれかの味方をして、もう一方を攻撃するようなことはあってはならないと思います。
臨床医のクセが抜けてませんと、労働者に肩入れしてしまって、企業を批判してしまうことがえるかもしれません。また、ブラック産業医などと呼ばれる産業医ですと、企業の論理を振りかざし、社員をないがしろにしてしまうかもしれません。
もちろん、これらは極端な例かもしれませんが、やはり産業医として介入する以上、医学的に正当性があり、なおかつ中立性を保った立場であるべきと考えられます。
復職判定でもそうですが、やはり根拠をもって復職できるか否かを判定すべきですし、そうでない場合、社員から訴えられる可能性も昨今ではなきにしもあらずでしょう。
こうした判定についても、どちら側にも肩入れし過ぎない、中立性を保った判断がなされていないと、今後はますます訴訟リスクが高くなると考えられます。
もちろん、企業側の配慮としての限界もあり、「合理的配慮だから」となんでも企業側がその配慮を鵜呑みにできない現実もあり、そこが難しいところですが、折り合いのつくところ、着地点を企業、社員とともに探っていくのは、産業医としての腕の見せ所でしょう。
もしこれから産業医を目指すという先生がおられましたら、やはりこの点はご留意いただければと思われます。
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