産業医の資格はあるが経験がない、ペーパードライバーならぬ「ペーパー産業医」の先生方も、労働衛生コンサルタントを目指される方も少なからずいらっしゃいます。
そうした先生方の場合、2つの意味でやはり足かせとなることがあります。それは、
1) 志望動機の答え方が難しい
2) 実務経験で得られる知識がない
というものです。
まず「1) 志望動機の答え方が難しい」ですが、産業医であれば「将来的に、産業医および労働衛生コンサルタントとして開業を行いたい。そのために資格取得を考えました」の一言で終わり、とくにツッコミもありません。
ですが、臨床医の先生方が労働衛生の資格をとろうという場合、やはりその理由を答えるのが難しいですね。たとえば、「職場(病院)の衛生管理を担っていて、ステップアップを図りたいと考えためです」などと答えるのが無難なところでしょうか。決して「認定産業医の資格維持が面倒なため」などと答えてはいけません。
「2) 実務経験で得られる知識がない」 に関しても、現役産業医に比べてディスアドバンテージが大きいところです。「ストレスチェック」「メンタルヘルス対策」「過重労働対策」など、実務経験があれば難なく答えられる問題も、経験がないと一から勉強(しかもテキストから)せざるを得ないですね。そのため、勉強時間は実務経験のある方よりも多めにとっておく必要があると考えられます。
しかしながら、実務経験がなくても合格されていらっしゃる方はおられます。結局は質問に答えられ、他の受験者たちと同様に、必要な水準を超えれば合格するということだと思われます。
実務経験がない産業医の先生方にオススメの勉強方法につきましては、拙著『産業医のための労働衛生コンサルタント口述試験対策マニュアル: 一発合格するための秘訣』に掲載しております。よろしければご一読いただければと存じます。