私も非常勤医師として、呼吸器内科外来を担当させていただいているのですが、当初は「なんでも診ろ、何人でも診ろ」といった要求に困ってしまったものです。
ですが、最近では医師担当の事務の方と話し合いを繰り返し、ある程度折り合いをつけることに成功しました。その過程で、どのような話し合いを行ったのか、今回は書いてみたいと思います。
1) 「専門科目以外」をどう取り扱うか
たとえば問診票を見て、呼吸器疾患以外が想定された場合、「こちらは神経内科受診が望ましいと思います」といった形で誘導することが問題なくできるようになり、「なんでもまずは診た上で、専門科に回す」という手間が減らせました。
ですが、たまに内科全般を診るスポットの先生がいらっしゃらない時や、スポットの先生がキャパオーバーとなった場合、その溢れた分はこちらに「相談」していただくこととなりました。
こうしたある程度の私の担当すべき患者さんをはっきりとさせたことで、大幅に負荷を軽減することができました。
2) 1時間に診る上限の患者さん数を限定
「1時間に3人までの予約枠とする」と取り決めたことで、延々と「直来の患者さんです。お願いします」と言われないようになりました。
1時間に診る上限の患者さん数を限定することは、やはりとても重要だと思われます。ただ、それでも突発的にやってくる患者さんの対応が必要になることはありますので(特に担当科目なら)、その時のために「フリー枠」をもうけました。
ですが、そのフリー枠も「1日4枠まで」と決めておりますので、バンバンと入れられてしまうことはありません。
3) 「外来」で診られる範囲を限定
明らかに入院が必要な肺炎の高齢者患者さんや、呼吸不全が激しい患者さんなど、「外来レベル」を超えるような患者さんは診ず、そのまま救急担当、内科入院担当などに割り振っていただくようにしました。
そのお陰で、「先生、何卒お願いします」と常勤の先生方にイヤな顔をされつつ入院をお願いするということはなくなりました。
以上です。
要は、「外来で診られる患者さんはどのような方か」「診られる患者さん数はどの程度なのか」というところをはっきりさせることがまず大事ということでしょうかね。
「専門科目以外は診ない」ということが言えればいいのですが、大学病院レベルでないと、なかなかそういうわけにはいかないでしょうから、「やむを得ない場合は診ますが、それ以外の場合は一般内科、もしくは症状に応じたそれぞれの科でお願いします」と条件をつけることで、大幅に負担は軽減すると思われます。
ただ、こうした交渉について、なかなか思うようにいかなかったりすることもあります。できることならば、最初から「リクルートドクターズキャリア[PR]」などのエージェントさんに間に入っていただき、交渉を行うことが望まれます。