私は後期研修の時にドロップアウトする形で、常勤産業医に転職しました。そこから10年以上、2回の転職を経て産業医として働き続けています。
産業医の「転職」を主眼に置いて考えますと、一社目、そして二社目以降ではポイントとすべきことは異なっているのではないか、と思っています。その転職の違いとは一体何なのか、今回の記事ではその点について書いてみたいと思います。
ポイント1 転職の「目的」を明確化
一社目ですと、やはり「産業医未経験」ということもあり、エントリーする求人も絞られるということもあったりします。となりますと、「とにかくエントリーできる求人」に応募して採用面接を受けに行くということになりやすい傾向にあります。
「先輩産業医が在籍していて、指導を受けたり相談をできたりするところがいいなぁ」「希望条件を優先させるよりは、まずは経験を積むことにフォーカスしよう」という思惑で転職を考えていくという方も多いのではないでしょうか。
「年収アップのため」「在籍する産業医が多いと何かと面倒だから、産業医一人体制の企業がいい」「今までの知見を存分に活かせる企業に勤務したい」「自分にとって働きやすい条件で働く」など、「この転職は何を目的とするのか」というところを意識することがまずは重要だと思います。
この部分があやふやですと、ついつい妥協してしまったり、「目先のニンジン」に左右されてしまい、転職した後に後悔することになってしまいます。
ポイント2 具体的な企業の選別
すでに企業で常勤産業医として勤務していれば、ある程度「どのような企業ならば働きやすいか」ということがイメージできると思います。
・在籍する社員数はどの程度か?(=企業の規模感)
・企業の業種は何か?(製造業、IT、不動産、金融…)
・産業医、保健師の人数はどの程度か?
・担当する支社や関連会社数はどの程度か?
もちろん、社風やカラーといったところも重要な要素ですが、そのあたりは実際に採用面接などを受けてみたりしないとなかなか掴めないといったこともありますので、まずは「上記のようなポイントで企業を絞る」ということはポイントとして押さえておくといいと思います。
ポイント3 振り返りと棚卸し
今まで勤務した企業のどのような点がよかったのか、そして悪かったのかという「振り返り」はまずしておくべきであると思います。この振り返りをすることで、求人選びや採用面接での「志望動機」の部分の肉付けがしやすくなります(採用面接では、あまり前職での悪口を直接的に言うのは好ましくありませんが)。
実際、振り返りで私は「産業医が複数いる企業はやりにくい」「あまり企業の規模感が大きくない(関連会社数も含めて)ところのほうがやりやすい」といった希望を洗い出し、求人選びに活かしました。
また、今まで産業医として「どのような仕事をしてきたのか」という「棚卸し」をすることも重要です。その結果、自分の「やりたい仕事」「あまりやりたくない仕事」というのが明確化してきます。
また、二社目以降の採用面接であれば、「今までどのような仕事をされてきました?」「今までどのような仕事が一番大変でしたか?」といったことは質問されやすいので、採用面接対策にもなります。
以上です。
基本的には、二社目以降の転職で「自分の働きやすい/働きたいと思う条件の企業」へ近づいていくようにチャレンジしていく、ということになると思います。一社目の下積み経て、ぜひ二社目以降で「働きたい企業に」と変えていくことを検討されてはいかがでしょうか。
私自身、上記のようなポイントを踏まえ、三度の転職すべてでリクルートドクターズキャリア[PR]に相談をしています。転職を検討されているということでしたら、まずはご相談いただいてはいかがでしょうか。