勤務医が常勤産業医になる上で押さえておきたい3つのチェックポイント

現職場での仕事を続けながら、転職活動を行うというのは私も経験がありますが、やはりかなり大変です。ですが、「内定をもらう前に退職する」ことはかなりストレスフルなことなので、できれば避けたいところです。

こちらも経験がありますが、「次が決まらない」状況の中で日々を過ごすのは焦りや不安を感じて、かなり辛いです。

そこで今回は、勤務医が常勤産業医になる上で、押さえておきたい3つのチェックポイントについて書いてみたいと思います。

産業医になるのに意外とかかる時間

まずは、産業医になるのには、意外と時間がかかるという問題です。日本医師会認定産業医の資格を取得するのが最も基本的な産業医の要件であり、こうしたプロセスを踏む方がほとんどではあると思います。ですが、この要件を満たすのが結構時間がかかります。

というのも、50単位を集めるための研修会は少なく、さらには一気に50単位を取得できる集中講座も人気でなかなか予約できません。

【2024年度版】認定産業医になるための研修会・講習会・集中講座の探し方
認定産業医の資格を取得したいのに、「なかなか参加できる研修会が見つけられない」「集中講座で一気に単位をとりたいのに、なかなか予約できない」という先生方も多いのではないでしょうか。 「産業医になろう」と思っても、この「認定産業医になる」という...

運良く予約できたとしても、開催時期は2~3ヶ月後というのがザラという状況です。

また、単位を取得しただけではダメで、医師会に申請して認定を受ける必要があります。そこでもまた時間がかかることになってしまいます。

ですので、まず「認定産業医の資格」を取得するということが必要な方は、少なくともこのような時間が必要であるため、衝動的に退職をして「あとは認定産業医の資格取得と転職活動を…」と考えてしまうのはできるだけ避けた方がいいと思います。

転職活動のスケジュール

次に、転職活動のスケジュールについても押さえておきましょう。求人が多く出てくるのは、4月入職をめがけた時期、つまりが11月から1月ぐらいまでの間です。

ですので、10月下旬か11月頭ぐらいにはリクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアといった会社の転職エージェントに相談しておき、希望条件を伝えた上で求人情報を提供してもらうことが望まれます。

もちろん、これ以外の時期でも求人は出ていますが、産業医ですと経験者の方が未経験者より優先される、いわゆる「一社の壁」がありますので、産業医未経験の方は4月入職をめがけて動きだした方がよろしいかと思います。

11月から3ヶ月間程度の転職活動(求人の選定→応募→一次面接・二次面接→内定)を行い、4月までに引き継ぎを終えて退職・入職といったことが理想的ではないかと思います。

年収と家計の確認

正直なところ、産業医単体での給料となりますと、勤務医時代の給料よりは下がるという方が多いのではないかと思います。当直・オンコールもなく、残業も大幅に減る。ライフワークバランスで言えばかなり良くなる一方、給料は下がる可能性があります。

私の場合(卒後15年程度)、産業医のみの年収で言いますと、今までの3社でおおよそ1000~1100万円といったところです。

ただ、非常勤バイトとオンライン診療のバイトをしており、困らずにゆとりある生活ができているという状況です。しかしながら、家庭によっては「それじゃあ生活できない」ということもあるでしょう。

ですので、見込まれる年収と家計を照らし合わせ、産業医として働くことが可能かどうかを改めてご家族とも話し合ってみることは大事だと思います。

この点も、あらかじめリクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアなどの転職エージェントに相談しておき、求人票をもらって「どの程度の年収になるのか」を把握しておかれることをオススメします。

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