1年ごとに契約更新がある産業医ですと、「次年度はもう契約更新をしませんよ」と言われる可能性が毎年あるわけです。あまり社員・人事労務担当者からの評判がよろしくない産業医ですと、「もう更新しないよ」と言われてしまうかもしれません。
実際、私も「次年度はもう更新しないよ」と言われたこともあり、とてもショックな思いをしました。そんな経験を踏まえ、産業医が「クビ」にならないために心がけたい「大人な対応」とはどのようなものか、今回の記事では書いてみたいと思います。
「何を求めているのか」を理解しようとする
社員さんが何ら目的もなく産業医に相談しにくるということはあまりないので、「何を求めて相談に来ているのか?」ということを探りながら話を聞くということは心がけたいところです。
「ああ、この人は産業医として上司に説明をして欲しいと思っているんだな」「異動希望を人事に伝えて欲しいんだな」など、言葉の裏にはどのようなことを希望しているのかということは考えながら話を聞いたほうがいいと思います。こうした姿勢がないと、とかくトンチンカンなアドバイスをしてしまったりして、落胆させてしまうこともあります。
もちろん、意に添えない要望というのはあったりしますので、そのような時にもバッサリと切り捨ててしまうのではなく、別のアプローチでの解決方法について社員さんと話し合うということも必要だと思います。
中には、「話を聞いてもらってスッキリしたい」という人もいたりします。それはそれで重要なことですので、付き合ってあげましょう。
相談に適切な対応を行う
特に人事労務担当者から「こんなことがありまして…」「これ、どうしたらよろしいでしょうか」と相談をされることがありますが、そんな時に、はぐらかしてしまったり、「それは私の仕事じゃないですね」などといった対応をしてしまいますと、「あの人に相談したって無駄だ」と思われてしまいます。
一つ一つの相談を大事にし、しっかりと調べて回答したり、分からなければ関係者にアドバイスを求めるといったことを行わないと、クビを切られてしまう可能性は一気に高くなってしまいます。
相談を受けたらチャンスと思い、おざなりな回答をしてしまうことは避け、ぜひ働きぶりをアピールしたいところです。
「よく分からないから」とお茶を濁そうとしますと、それは相手にまるわかりであると思った方がいいです。分からないなら分かる人に相談するという姿勢は重要です。
アンガーマネジメントは重要
社員さんとの面談で、カチンとくることを言われることもあったりします。また、人事労務担当者とのメールでのやりとりの中で、「それって失礼じゃないの?」と思うようなこともないわけではありません。
そんな時に、声を荒らげてしまったり、暴言を吐いて言い合いになったり、あるいは抗議の長文メールを送る…ということは避けましょう。自分の評判を落としてしまうだけになってしまいます。
「受け流す」「感情的になる前にクールダウンする」ということを行い、アンガーマネジメントを心がけることはとても大事なことだと思います。
いわゆる「6秒ルール」で、怒りのピークは6秒過ぎると落ち着いてきます。それを意識するだけでも大分違うと思います。
以上です。
ただ、いくら気をつけていても人事労務担当者との相性があったり、契約更新が行われないということはあったりします。そのような時には落ち込んでしまうのではなく、すぐに気持ちを切り替えて、リクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアなどの転職エージェントに相談をして転職活動へさっさと移ることをおすすめしたいと思います。