「面倒見の良い医師」に周りが大迷惑になっていることも【医師バイト】

僻地医療では「面倒見の良い医師」は重宝がられ、ありがたい存在であると思われます。ですが、一般的な病院であった場合、その「面倒見のよさ」が仇になっている可能性もあるのではないでしょうか。

過換気症候群でたびたび救急搬送を依頼し、救急隊にも覚えられ、周囲の病院からもやんわり受け入れ要請を拒否されている高齢男性がおりました。その患者さんのお鉢が私の非常勤外来に回ってきたわけです。

何やら、連れて来られた娘さんがお怒りであったため、お話を伺いますと、「過換気症候群というのは何度も説明は受けている。でも、家で苦しがっていたら、連れて来ざるを得ないじゃないですか」と。

至極まっとうなご意見です。どうやら循環器科にも通っておられるようで、そこの主治医が普段はご対応されているとのこと。ですが、精神科のない当院にも関わらず、精神科に紹介もせずに「とりあえず精神安定剤を出しましょう」ということになった、と。

どうやらその対応が行われたことで、「それでも苦しがっている」ため救急搬送の要請を行い、さらには「かかりつけ」として当院にたびたび搬送されたり、あるいは受け入れできないということで周囲の病院へ搬送される事態に陥っているご様子。

娘さんは、「私だって、精神的なことだって分かってますよ。でも、精神科って言ったって、どこを受診したらいいのか分からないし、薬だって出していただいてるわけですからね。かかりつけの病院にかかるしかないわけじゃないですか」とのこと。

そこで、近隣の精神科のある総合病院にご紹介する、その手はずをとりますよとご説明したところ、納得いただけたようです。「面倒見のよさ」を発揮してできるだけ診てあげようという心意気は買いたいところですが、どうやらそれで当直医や救急担当の医師に迷惑がかかってしまっていたようです。

同様に、「面倒見が良すぎる」が故に業務を抱え込んでしまっている、ということもあるかもしれません。もしお心当たりがあるようでしたら、「しかるべきところに患者さんをご紹介する」ということも必要かもしれませんね。

ただ、病院の立地や医師数などの問題があり、なかなか手離れできないということもあるかもしれません。そのような状況に陥ってしまっている、ということでしたら、やはり転職も視野に入れて考えていく必要があるのかな、とも思います。

もし現在、転職をご検討されているということでしたら、リクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアにご登録の上、転職エージェントにご相談いただくこともお考えいただいてはいかがでしょうか。

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