産業医として長時間勤務者の面談を行っておりますと、「本当にギリギリの状況で働いていたんだなぁ」と思うことがあります。思うように眠れず、神経をすり減らして暗い表情をされている方々を見ておりますと、「ここで何かもう一つストレスが加わったら、崩れ落ちてしまうのでは」と思います。
そんな薄氷を踏むような状況で勤務されている方々について、業務負荷軽減対策を上司や人事側に提案・相談を行うことも重要かとは思いますが、「もし、万が一また同様にもう限界を感じているようだったら、ここに飛び込んできてください。ドクターストップをかけて、いつでも休めるようにします」と伝えたこともありました。
このコロナ禍では状況は変わってしまいましたが、転職市場が「売り手市場」であった時期、「いざとなったら転職できる」ということが、高ストレスな職場で働く人たちにとって安心材料の一つとなっていたと聞いたこともあります。
もちろん、転職ばかりが逃げ道、脱出方法というわけではありませんが、上記のように産業医として「逃げ場の一つ」となれれば、ほんの少しでも社員の方々に安心感を与えられるのではないか、とも思ったりするわけです。
私自身、臨床医時代に毎日のように「辞めたい…」と思っていた時期、転職サイトの求人を眺めることで「いざとなれば転職できる」と思ってストレス解消の一つとしていたこともありました。
職場の勤務環境や人間関係は移ろいやすく、またコロナ禍でさらなるストレスを抱えていらっしゃる臨床医の先生方もおられるかもしれません。さらには、プライベートでのライフステージの変化により、結婚・子育てで悩み、そのストレスがのしかかってこられているかもしれません。
もしそのような重圧に晒され、心身ともに疲弊しておられるということでしたら、リクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアなどの転職エージェントに、一度はご相談なさってどのような求人があるのかお問い合わせしてみてはいかがでしょうか。それだけで逃げ道や脱出方法があると分かり、心の安定につながることもあると思います。